夜になるまえに : 新作映画評論

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夜になるまえに

劇場公開日 2001年9月22日
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夜になるまえに 9月22日よりシネマライズほかにてロードショー

キューバの情熱的な原色と音楽が、詩人の生涯に生命を吹き込む

画像

「バスキア」のジュリアン・シュナーベル監督が、キューバの作家・詩人であるレイナルド・アレナスに“生命”を吹き込んだ伝記映画。キューバ特有の情熱的な原色と、官能的でリズミカルなキューバ音楽が彩りを添え、天国と地獄を往き来するようなアレナスの、真に“映画的”な、劇的人生をつづる!

彼の友人、母の記憶、ハバナの熱狂、青い海、緑の森、澄んだ青空、夢を乗せた気球、逃亡生活、刑務所、移民船、枯れたバラなど、彼を取り巻くエピソードを散文詩のように羅列している。その話術はお世辞にも上手いとは言えないが、ムード満点の映像で押し切っているのがいい。観る者を飽きさせないルック(見た目)があるのだ。

そして今年のアカデミー主演男優賞候補となったアレナス役、スペイン人俳優ハビエル・バルデム(「ライブ・フレッシュ」)の圧倒的名演に拍手である。とくにタイプを打つ場面は迫真だ。キイを叩く音はやがて“音楽”になり、語句がさざ波のようにあふれる。こんなにも命懸けで書いたことがないから、正直グッときた。また、ニューヨークへ亡命する場面では、ニューヨーク・エリス島にある移民博物館を思い出した。カバンも持たず、身ひとつというのが泣かせるじゃないか!

佐藤睦雄

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