夜になるまえに : 新作映画評論

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新作映画評論

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キューバの情熱的な原色と音楽が、詩人の生涯に生命を吹き込む

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「バスキア」のジュリアン・シュナーベル監督が、キューバの作家・詩人であるレイナルド・アレナスに“生命”を吹き込んだ伝記映画。キューバ特有の情熱的な原色と、官能的でリズミカルなキューバ音楽が彩りを添え、天国と地獄を往き来するようなアレナスの、真に“映画的”な、劇的人生をつづる!

彼の友人、母の記憶、ハバナの熱狂、青い海、緑の森、澄んだ青空、夢を乗せた気球、逃亡生活、刑務所、移民船、枯れたバラなど、彼を取り巻くエピソードを散文詩のように羅列している。その話術はお世辞にも上手いとは言えないが、ムード満点の映像で押し切っているのがいい。観る者を飽きさせないルック(見た目)があるのだ。

そして今年のアカデミー主演男優賞候補となったアレナス役、スペイン人俳優ハビエル・バルデム(「ライブ・フレッシュ」)の圧倒的名演に拍手である。とくにタイプを打つ場面は迫真だ。キイを叩く音はやがて“音楽”になり、語句がさざ波のようにあふれる。こんなにも命懸けで書いたことがないから、正直グッときた。また、ニューヨークへ亡命する場面では、ニューヨーク・エリス島にある移民博物館を思い出した。カバンも持たず、身ひとつというのが泣かせるじゃないか!

佐藤睦雄

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ABOUT THE MOVIE

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  • 夜になるまえに
  • アレナスは現代ラテン文学の代表的作家のひとり。1943年、キューバに生まれ、20歳で作家デビューするが、独裁政権下で同性愛ゆえに投獄され、80年にアメリカへ亡命。ニューヨークで執筆活動を続けるが、エイズを発病し、90年に自殺した。監督のシュナーベルは、80年代にニューペインティングの人気画家としてNYで活動していた。音楽は、コーエン兄弟監督作全作の音楽を担当しているカーター・バーウェル。
  • 原題:
    Before Night Falls
    監督:
    ジュリアン・シュナーベル
    脚本:
    カニンガム・オキーフ、ラサロ・ゴメス・カリレス、ジュリアン・シュナーベル
    撮影:
    ハビエル・ペレス・グロベット、ギレルモ・ロサス
    出演:
    ハビエル・バルデム、オリビエ・マルティネス、ジョニー・デップ、ショーン・ペン
    製作国:
    2000年アメリカ映画
    上映時間:
    2時間13分
    配給:
    アスミック・エース
  • 9月22日よりシネマライズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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