バーバー : 新作映画評論

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新作映画評論

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バーバー

4月27日より、恵比寿ガーデンシネマ/シャンテ・シネにてロードショー

途方もなく美しく、圧倒的に切ない

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コーエン兄弟の最新作「バーバー」は、その映像の美しさだけでも観る価値が十分ある。撮影を手がけたのは「バートン・フィンク」以降、すべてのコーエン映画を手がけている、イギリス人撮影監督ロジャー・ディーキンス。20年近くにも及ぶキャリアのなかでも、はじめて挑戦したという白黒映画「バーバー」は、ディーキンスの手腕がむき出しになった大傑作だ。

通常、白黒映画というと粒子が粗く、コントラストが強いものを想像しがちだ。しかし、「バーバー」のモノクロ映像は息を飲むほどソフトで、濃淡のグラデーションが豊かである。これは、数十年も改良が行われていない白黒フィルムではなく、最新のカラーフィルムを使用して撮影したためだという(リリースプリントの段階で白黒に変えている)。色彩表現がなくなったぶん、構図はいつもにもまして冴えわたっている。たとえば、ビリー・ボブ・ソーントン演じる理髪師が、妻のむだ毛を剃るシーンがある。バスルームにいる2人を映したワイドショットでは、ビリー・ボブだけがシルエットになっている。夫婦のあいだの断絶、そして、孤独な男を表現した、シンプルかつ雄弁なショットだ。

ディーキンスのカメラが描いた「バーバー」は途方もなく美しく、圧倒的に切ない。コーエン兄弟の作品のなかで、一番好きかも。

(小西未来)

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ABOUT THE MOVIE

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  • バーバー
  • 49年、北カリフォルニアの小さな町。義兄の経営する理髪店で働くエドは、店に立ち寄ったセールスマンから聞いた新事業=ドライ・クリーニングに投資するため、妻の不倫相手に脅迫状を送ることを思いつく。しかし、この行為が、思わぬ事態を招いてしまう。 コーエン兄弟の第9作目は、第1作と同ジャンル、田舎町での犯罪サスペンス。彼らにとって初のモノクロ映画でオスカー撮影賞にノミネート、LA批評家協会賞ほかで撮影賞を受賞。
  • 原題:
    The Man Who Wasn't There
    監督:
    ジョエル・コーエン
    脚本・製作:
    イーサン・コーエン
    撮影:
    ロジャー・ディーキンス
    出演:
    ビリー・ボブ・ソーントン、フランシス・マクドーマンド、マイケル・バダルコ
    製作国:
    2001年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間56分
    配給:
    アスミック・エース
  • オフィシャルサイト

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