あるいは裏切りという名の犬

劇場公開日:

解説

ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューというフランスを代表する名優を主演に、正義を貫く刑事と野心家の刑事2人による宿命の闘いを描くフランス製本格派フィルム・ノワール。パリ警視庁に勤務する警視、レオとクランはともに次期長官候補。かつては親友だったが、ひとりの女を取り合ったことから仲違いし、今はお互いに敵視している。そんな中、レオが長官に任命されるが……。ロバート・デ・ニーロ製作によるハリウッドリメイクも決定している。

2004年製作/110分/フランス
原題:36 Quai des Orfevres
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2006年12月16日

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映画レビュー

3.5これ・・・実話をもとにしているんですね。

2023年11月8日
PCから投稿

主人公警部とそのライバルが繰り広げる出世争いの策謀を描く物語。

実話を基にしたフランス産ノワール作品。どこ迄実話なんでしょうね?
ライバル役を演じたジェラール・ドパルデューが良い味を出していますね。出世のライバル・・・だけではなく、愛する女性を奪われた嫉妬。その二つをしっかりと描いているので、彼の主人公に対する敵愾心と仕打ちに説得力を感じてしまいます。

ラストはカタルシスを感じることが出来ましたが、それでも全体的に救いがなく陰鬱。完成度の高い佳作だとは思いましたが、私好みの作品ではありませんでした。

私的評価は普通にしました。

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よし

4.0うまいよね

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

ひさびさに男くさい、
面白い映画を観た。

こう書いて男くさいってのは
どういうことだろうなって思ったが
仕事なり、なんであれ
信念をもってそれに突き進む姿とかだろうなと
認識した。

この映画の男達は突き進む方向が
だいぶ間違っているのだけれど。

この緊迫感!
気持ちいい裏切りといっていいでしょう。
邦題もうまいですね。

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こまめぞう

3.0韓国映画『ビースト』を観て…

2023年5月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

韓国によるリメイク『ビースト』を観てから観たんだけど、

何じゃこりゃ?軽すぎる(笑)

話にならない(笑)

コッチが本家本元なんでしょうけど、ひどい劣化版を観てるようで、ダメでした(笑)

デニーロによる、ハリウッド・リメイクが決まってるらしいが、パチーノと一緒に、重厚に作り変えてほしい。

拍子抜けした1本です(笑)

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RAIN DOG

5.0コインの裏と表 二人の男の生き様

2023年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

親友だった二人。何が二人を分けたのか。
 同じ女性を愛したから?それでも親友のままでいられることもある。親友とまではいかなくとも、ここまで人生に送り方が変わってしまうなんて。
 二人の間に何があったのか。
 同じ部署で同じ目標を持てていた時には、やり方は違っていても相互補完。認めあえていた。でも、部署が違い、付き合う仲間が違い、役目・負う責任が違ってきて、さらに張り合わされるうちに、雪崩の如く、放出された水のごとく、一つ一つのことが絡み合い連鎖して、止められない。
 そんな風に見えた。

しかも、この監督はエディという同年代(ちょっと先輩)を配し、そこでもやじろべいのような三角関係を描き出す。部下たちを巻き込んで。

二人の間に、”今”起こっていることは描き出されるが、過去に何があったのかは、映画の中で詳しくは語られない。鑑賞しているこちらが推測していくだけ。

やることなすことが裏目に出て、追いつめられていくレオ。
そうやってレオを追い落としているように見えるドニだって、初めからレオをはめようとしたわけではない。ドニの時々の表情・慌てっぷりを見ていると、自分のやってしまったミスを狡猾にフォローしようとして、結果的にレオを追いつめてしまうようにも見える。
 レオの復讐劇にも見えるが、ドニの人生の哀れさがテーマにも見える。

二人の名優の妙。特に演技合戦をしているわけではない。だが、この二人の比重がほんの少しでも狂えば、映画は、また違った雰囲気をまとってくる。
なんてすごいんだ。

正直加齢臭すら漂ってきそうな二人の佇まい。喉元まで生活に・警察にどっぷりつかっている匂いが漂ってきそうな映像。そこがまた絵空事ではない人間臭さを感じさせ、渋い。(ファッション性なんてなんのそのだ)

内部抗争がらみの警察物。
 信頼と裏切り、迎合、事なかれ主義、身の保身…。組織や関係性でうごめくいろいろなものが、幾つかの凶悪犯罪と絡み合って描き出される。

監督の警察時代の教官に捧げられている。実際にあった話をbaseとするらしいけど…どこまでが実話なのか。かえって教官を貶めることにはならないのか?と余計な心配をしてしまうほどに、これでもかと問題場面が描き出される。(検死したら嘘はばれるはずだが、等)

最初はバイオレンスの様が激しく、音楽も時に緊迫感を煽り、時に静かに凄惨な場面を見せつけと、その激しい様に途中で見るのを断念しそうになる。

けれど、途中からは人間を描くことにシフト。その心情と行動で魅せてくれる。
 説明は足りない。エピソードとエピソードのつなぎもうまくはない。
 でも、人間を描くことには丁寧で、甘すぎず、感傷的すぎず、日本の感覚からいったらドライだけど、胸が締め付けられる。

最後の落とし前の付け方は、ティティは別として、こういう犯罪ものを愛する方々には不評かもしれないが、私には最高だった。

因果応報。風が吹けば桶屋が儲かる。人生は自分の想うようには進まない。
一寸先は闇。人に放った矢は自分に帰ってくる。
そんな中での二人の男の生きざま。堪能させていただいた。

濃厚すぎる映画。ワイン倉庫の隅に長年放置され熟成されたブランデーを少しずつ味わうが如く。
邦題が秀逸。 後から、ゾクゾク来る。

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とみいじょん
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