青い春 : 新作映画評論

掲載作品数22807

ミラーズ

新作映画評論

青い春 青い春

青い春

6月29日より、シネマライズほかにてロードショー

かつての自分を見せられているようで

画像

2、3年前までの邦画と言えば、作家性という言葉を都合良く使った監督のマスターベーション映画ばかり。正直、ウンザリしていた。が、今年は楽しい。「ハッシュ!」に「とらばいゆ」に、忘れちゃいけない「ミスター・ルーキー」。脚本や俳優同士の“競演”が見事なだけじゃなく、「お客さんに見て頂く」基本が出来ている。「青い春」もしかり。

一歩間違えば、観客を選別する映画になっていたはずだ。社会問題化している狂気に至る十代をテーマにした映画は、今までにもあった。しかし、松本大洋原作の力を借りたこの映画は、少年たちが事件を犯すまでの心のもがき、苦しみを丁寧に写し出す。

虚勢を張ることで仲間の中心になろうとする大田(山崎裕太)の気の小ささ。そんな大田を疎ましく思いながら拒絶できなかった雪男(高岡蒼祐)の優柔不断さ。そして、力では超えることの出来ない存在がいることを悟ってしまった青木(新井浩文)の気持ち。誰もが一度は経験したことがあるであろう感情だ。かつての自分を見せられているようで切ない。

ちなみに小泉今日子が売店のオバサン役で出演。自分たちのアイドルが「おばちゃん」だなんて……。こっちは現実を見せつけられているようで、これまた切ない。

(中山治美)

ブックマーク: この記事をYahoo!ブックマークに登録する この記事をはてなブックマークに追加する この記事をlivedoorクリップに登録する この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をnewsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • 青い春 画像 [拡大画像]
  • 青い春
  • 阪本順治監督の「ビリケン」で脚本を担当、「ポルノスター」(98)で監督デビューした豊田利晃の新作は、漫画家、松本大洋の短編集「青い春」からの4編をもとに、漫画誌編集者時代から原作者と交流のあった監督が脚本も執筆、男子高校の2年生4人のタイトル通りの日々を描く。故・松田優作を父に持つ松田龍平、「バトル・ロワイアル」の高岡蒼佑、人気モデル、大柴裕介ら新鋭俳優が集合。挿入歌はミッシェル・ガン・エレファント。
  • 監督・脚本:
    豊田利晃
    出演:
    松田龍平、新井浩文、高岡蒼佑、大柴祐介
    製作国:
    2001年日本映画
    上映時間:
    1時間23分
    配給:
    ゼアリズエンタープライズ
  • オフィシャルサイト

青い春

  1. 作品ページ
  2. 映画レビュー
  3. 注目特集
  4. 映画評論
  5. 動画・予告編
  6. フォトギャラリー
  7. DVD・ブルーレイ
  8. けいじばん
  9. 映画館検索

- PR -

ミラーズ

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...
© eiga.com inc. All rights reserved.