愛の世紀 : 新作映画評論

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愛の世紀

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愛の世紀

愛の世紀

4月13日より、日比谷シャンテ・シネにてロードショー

「映画愛」に迫る21世紀初のゴダール映画

画像

黒く濡れたような舗道、ぼんやりと白く光る街灯、走り去るクルマ。ジャン・ピエール・メルビル映画かと見まがうばかりの“パリところどころ”を切り取った、前半の白黒映像が圧倒的に美しい! 若き芸術家エドガー(ブリュノ・ピュツリュ)の創造と挫折が描かれるのだが、年代の違う3組のカップルで愛における4つの瞬間──出会い、肉体的愛、別れ、再会を描く企画を構想するものの、映画、舞台、小説、オペラのどれになるか分かっていない。“レ・ミゼラブル”な結果に終わるのだが。

後半は一転して、ブルゴーニュへのエドガーの旅の回想がカラーで描かれる。金色の入り江に浮かぶ小舟、海辺の部屋までも青く染める小波など、鮮烈な色彩に目を奪われる。まるでデジタルカメラをもてあそぶゴダール監督の喜色満面の顔が思い浮かぶようだ。

ベルグソン、シモーヌ・ベイユ、「トリスタンとイゾルデ」、スピルバーグ、ロベール・ブレッソン、アウグスティヌスなど、本、絵画、音楽、映画からのおびただしい「引用」も挑発的だ(とくにハリウッドへの痛烈な皮肉が笑える)。断片的映像に豊穣なセリフや字幕、ミニマルな音楽をかぶせるゴダール話術はまさに老練のきわみだ。五感を刺激してやまないイメージが脳裏を駆け足で通り過ぎてゆく。21世紀最初のこのゴダール映画ほど、「映画愛」に迫った悲喜劇はない。

(佐藤睦雄)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 愛の世紀
  • 現在をモノクロフィルムで、回想をカラーのデジタル撮影で描く、ゴダール久々の新作。 愛について描く新作のため、オーディションをする芸術家エドガー。彼は、ヒロインに相応しい女性に2年前会っていることを思い出す。彼女は、レジスタンスの歴史を調べていて出会った、かつてレジスタンスの闘志だった老夫婦の孫娘だった。老夫婦の回想録の映画化を巡り、ハリウッドのエージェント、国防省の役人らが彼らの周囲に出没する。
  • 原題:
    Eloge de l'Amour
    監督・脚本:
    ジャン=リュック・ゴダール
    製作:
    アラン・サルド、ルート・バルトブルゲール
    出演:
    ブリュノ・ピュツリュ、セシル・カンプ、ジャン・ダビィー
    製作国:
    2001年スイス映画
    上映時間:
    1時間38分
    配給:
    プレノンアッシュ
  • オフィシャルサイト

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