愛の流刑地 : 新作映画評論

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新作映画評論

愛の流刑地 愛の流刑地 1月13日より日劇2ほか全国東宝系にてロードショー

原作以上に「文学」を感じさせる演出

画像(C)2007 「愛の流刑地」製作委員会

TVドラマ界で長年活躍してきた演出家・鶴橋康夫(67歳)の映画監督デビュー作品。冒頭からいきなり、朝やけの風景を主人公の性交っぷりにオーバーラップさせ、風景と情事の融合を試みるような描写がつづく。世間の営みから浮きあがったような感極まったセリフの数々もそのような描写のなかに練り込まれて、さりげなく収まっている。

そんなシーンの合い間に鶴橋監督は、思いっきり俯瞰で主人公の中年男子(豊川悦司)の全身をとらえ、「男」という存在の滑稽さを露わにしてみせる。一方、相手の女性(寺島しのぶ)に対しては、情事をはずみにして徐々にオンナとして開いていく、そのたたずまいの変化をみごとに映し出している。

渡辺淳一先生みずから「映像化された自分の作品のなかで一番満足している」と太鼓判を押すだけあって、甘さを全開にしたやりとりや先生こだわりの婦女子アイテムである「白スリップ」をしっかり登場させるなど、原作ファンへの目配せも忘れていない。ドラマ界では「社会派」と呼ばれることの多い鶴橋監督が渡辺作品の官能シーンにどう挑んだのか、失礼ながら多少ツッコミを入れるつもりで試写にのぞんだのだが、これがなかなか原作以上に「文学」を感じさせる演出だった。

小泉すみれ

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ABOUT THE MOVIE

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  • 愛の流刑地
  • 日本経済新聞で連載され、社会現象まで巻き起こした渡辺淳一原作の同名ベストセラー小説を、豊川悦司&寺島しのぶ共演で映画化。かつての人気恋愛小説家・村尾菊治は、ある朝、情事の果てに相手の女性・入江冬香を絞殺し逮捕される。事件を担当する女性検事は、「愛しているから殺した」という菊治の言葉に困惑しながらも2人の過去を探っていく……。監督は本作で長編映画監督デビューを飾ったベテランTV演出家の鶴橋康夫。
  • 監督・脚本:
    鶴橋康夫
    原作:
    渡辺淳一
    撮影:
    村瀬清、鈴木富夫
    美術:
    部谷京子
    出演:
    豊川悦司、寺島しのぶ、長谷川京子、陣内孝則、佐藤浩市、富司純子、津川雅彦
    製作国:
    2006年日本映画
    上映時間:
    2時間5分
    配給:
    東宝
  • 1月13日より日劇2ほか全国東宝系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007 「愛の流刑地」製作委員会

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