亡国のイージス : 新作映画評論

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亡国のイージス

劇場公開日 2005年7月30日
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亡国のイージス 7月30日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

ストーリーと演出がすれ違った「いびつな映画」

画像(C) 2005「亡国のイージス」associates

2時間程度で、あの分厚い原作の優れた映画化など望めない。映画用に咀嚼された物語だと割り切って観るしかないが、人間関係はかなり整理された。いびつな映画である。ストーリーがハリウッド的展開を志向していながら、演出はカタルシスを与えない乾いた映画を目指している。すれ違いは、亡国をめぐる捉え方にある。原作者が繰り返す“平和ボケ日本”をめぐる、リセットか現状肯定かといったテーゼは、あくまでも壮大なサスペンスを仕掛けるためのモチーフだ。思想性は薄く、アニメ世代のロマンを作動させるきっかけにすぎない。だから本来、「ローレライ」や「戦国自衛隊1549」のようなファンタジーでこそ福井原作は活きる。

ところが阪本演出は、有事において日本人はどんな行動を取るのかという人間観察に興味があるようだ。それゆえ、脂の乗り切った熟年&壮年俳優たちの逡巡と決意がこの映画の見どころになっている。原作者の妄想の中では、イージス艦も東京も壊滅させてみたいのだろう(「新幹線大爆破」のように!)。しかし監督はそうはさせまいと、防衛庁協力の下にCGなしのリアルなイージス艦を現出させてしまったのではないか。この異種勾配は成功とは言いがたい。

清水節

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(C) 2005「亡国のイージス」associates

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