ふたりの5つの分かれ路 : 新作映画評論

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ふたりの5つの分かれ路

劇場公開日 2005年8月20日
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ふたりの5つの分かれ路 8月20日よりシャンテシネほかにてロードショー

対置の中で欲望やセクシュアリティが揺らぐ

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オゾン監督は、肉体や欲望にこだわり、人間同士の間に生じる複雑な力関係を掘り下げてきた。5話構成で、離婚から恋の始まりへと男女の時間を遡るこの新作でも、力関係の変化が実に巧妙に描き出される。離婚の手続きを終えたジルとマリオンは、ホテルでセックスし、近況を語り合う。そんなエピソードがやがて意味深いものとなるのだ。

続く4話でふたりは、ジルの兄と恋人のゲイのカップル、マリオンの両親、彼女を誘惑するアメリカ人、ジルの前の恋人と対置される。ジルの兄とマリオンの両親は、ふたりの結婚式にも登場し、束縛のない恋愛や夫婦の二面性を象徴する。一方、ジルの両親がどこにも姿を見せないことも暗示となる。オゾンの映画では、そうした対置のなかで、主人公の欲望やセクシュアリティが揺らぎ、あるいは規定され、お互いの力関係が変化していく。

ふたりは、離婚の手続きでは対等だが、ホテルのセックスでは彼が、会話では彼女が優位に立ち、そして決裂に至る。ジルは、前の恋人と同じようにいつしかマリオンに従属し、セックスで自分を誇示するしかなくなっている。穏和な性格のマリオンは、結婚生活で泣きを見ながらも逞しくなり、自立した女になっているのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • ふたりの5つの分かれ路 画像1
  • ふたりの5つの分かれ路
  • 「8人の女たち」「まぼろし」「スイミング・プール」の人気監督、フランソワ・オゾンが一組のカップルの恋愛をユニークな手法で描く。離婚調停を進めるカップル、マリオンとジル。彼らがどのようにしてそこに至ったのかを、時間を逆行させて、ある日の夕食、出産、結婚、恋に落ちた瞬間まで、5つの季節を経ながら遡って描いていく。ヒロイン役は「天使の肌」「愛する者よ、列車に乗れ」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
  • 原題:
    5x2
    監督:
    フランソワ・オゾン
    脚本:
    フランソワ・オゾンエマニュエル・ベルンエイム
    撮影:
    ヨリック・ルソー
    音楽:
    フィリップ・ロンビ
    出演:
    バレリア・ブルーニ・テデスキ、ステファン・フレイス、ジェラルディン・ペラス
    製作国:
    2004年フランス映画
    上映時間:
    1時間30分
    配給:
    ギャガ・コミュニケーションズ
  • 8月20日よりシャンテシネほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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