メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 : 新作映画評論

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メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 3月11日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー

クールにボケたおした笑いと共に綴る男泣き映画

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劇場用映画初監督にして、この意欲作。トミー・リー、なかなかやってくれるじゃないの。メキシコとUSA、国境を接しながらも永遠のディスコミュニケーションを抱える荒涼たる土地。だがそこに辿りつき、根づいた者たちには、互いの文化への尊厳と深い親愛の情が生まれるだろう。寄る辺なきアウトサイダーたちにいずれ普遍的に訪れる運命の哀切を、正しくサム・ペキンパー的な語法で描いた男泣き映画なのだ、これは。“死体”を介在させた国境越えの現代西部劇とは、まるで「ガルシアの首」のバリエーションでもある。

「21グラム」などイニャリトゥ映画常連ギジェルモ・アリアガの脚本だけあり、4パートで構成された全体のうち、最初の2パートは彼らしい時系列の撹乱も面白い。しかし話法としての過激さは今回控えめで、その後はテキサス・カウボーイ(トミー)と、彼の親友である密入国メキシコ人メルキアデスの腐爛死体(!)、そして彼を誤射してしまった国境警備員(バリー・ペッパー)。そのきっかけというのが何ともはや……というメキシコふるさと3人旅を、クールにボケたおした笑いとともに綴っていくのだ。笑いの質は、たとえばデビッド・リンチ的なものを想起したとして間違いじゃないはず。メキシコ製の古いSF映画がTVで放映されるなか、ホンキートンク・ピアノのショパンがエンドレスで流れる露店酒場シーンなんてかなりのトリップ感あり。「フランケンシュタイン」(31)の登場人物を彷彿とさせる盲目の老人役は、なんとザ・バンドのレボン・ヘルム! おそろしくいい味出してます。

ミルクマン斉藤

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ABOUT THE MOVIE

  • メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 画像1
  • メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
  • 「逃亡者」(93)でアカデミー助演男優賞を受賞、「メン・イン・ブラック」シリーズなどで活躍する名優トミー・リー・ジョーンズが劇場用長編映画を初監督。テキサスとメキシコの国境。カウボーイのピートは、友人のメキシコ人カウボーイ、メルキアデス・エストラーダの死体を発見。彼を故郷の町に埋葬するため、彼を殺した新任の国境警備員マイクと共に遺体を運ぶ旅に出る。昨年のカンヌ映画祭でトミー・リーが主演男優賞、ギジェルモ・アリアガが脚本賞を受賞。
  • 原題:
    The Three Burials of Melquiades Estrada
    監督:
    トミー・リー・ジョーンズ
    脚本:
    ギジェルモ・アリアガ
    製作総指揮:
    リュック・ベッソン
    製作:
    マイケル・フィッツジェラルド、トミー・リー・ジョーンズ
    撮影:
    クリス・メンジス
    音楽:
    マルコ・ベルトラミ
    出演:
    トミー・リー・ジョーンズ、バリー・ペッパー、ドワイト・ヨーカム、ジャニュアリー・ジョーンズ、メリッサ・レオ、フリオ・セサール・セディージョ
    製作国:
    2005年アメリカ・フランス合作映画
    上映時間:
    2時間2分
    配給:
    アスミック・エース
  • 3月11日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

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