座頭市 : 新作映画評論

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座頭市

劇場公開日 2003年9月6日
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座頭市 9月6日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

座頭市

9月6日より、丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

この映画には大いなるビジョンが貼りついている

画像(C)2003「座頭市」製作委員会

座頭市は本当に目が見えないのか? という疑問がこの映画を貫いている。チラシやポスターには「最強」の文字が躍る。強い、強すぎる座頭市。本当は目が見えるんじゃないか? そんな感じだ。

例えば、雷鳴と豪雨の中の戦い。音と匂いを頼りに相手の動きを知る盲目の剣士にとって、もはや世界の気配を知るすべもない最悪の状況を、座頭市はものともしない。見る側のドキドキハラハラをあざ笑うかのように、座頭市の刀は切れまくるのだ。相手には抵抗の余地さえなく、アクションは一瞬で終わる。強すぎる……。やはり座頭市には何かが見えているはずだ。しかし一体何が?

それは世界のすべてである。そんな大いなるビジョンが、この映画には貼りついている。轟く雷鳴はどこか遠い地での戦闘の爆撃音のようにも聞こえるし、座頭市の殺戮の跡は、パレスチナやサラエボやアフガンなどのようにも見える。「ここ」と「よそ」とが、座頭市の知覚によって、1つの場所に結びつけられるのだ。つまり、そこに世界が丸ごとある。そして殺人マシーンとしての座頭市は、我々人類の絶望と憂いを背負うことになる。個人としてではなく、人類の負の極点としての座頭市。その黒々とした暗闇を通して、我々は世界の歴史と空間の広がりを見ることになるのだ。

(樋口泰人)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 座頭市
  • 北野武監督が脚本も書き、自ら金髪にジーンズ姿で演じる「座頭市」。居合い斬りの名人座頭市は、とある宿場で幼い頃に両親を盗賊に殺され、その復讐を誓う芸人姉妹と、故あって浪人する剣の名手、服部源之助に出会う。宿場を仕切るヤクザの銀蔵が、姉妹の親の敵らしいと判明するが、銀蔵が源之助を用心棒に雇ったことから、市と源之助は闘うはめになる。源之助役は浅野忠信。飲み屋店主役で柄本明、農婦役で大楠道代らが出演。
  • 監督・脚本:
    北野武
    製作:
    森昌行
    音楽:
    鈴木慶一
    編集:
    北野武
    出演:
    ビートたけし浅野忠信柄本明石倉三郎岸部一徳大楠道代ガダルカナル・タカ
    製作国:
    2003年日本映画
    上映時間:
    1時間55分
    配給:
    松竹、オフィス北野
  • 9月6日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2003「座頭市」製作委員会

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