劇場公開日 2003年7月12日

ターミネーター3 : インタビュー

2003年7月2日更新

ターミネーター・メイクアップ&アニマトロニクス効果
スタン・ウィンストン インタビュー
「『T3』での挑戦は、新しいイコンを生み出すことだった」

聞き手:小西未来

――あなたが、ターミネーターの生みの親ということになりますよね。

撮影現場でのスタン・ウィンストン(中央) 左はモストウ監督、右はシュワルツェネッガー
撮影現場でのスタン・ウィンストン(中央) 左はモストウ監督、右はシュワルツェネッガー

「正確には、生みの親のうちの1人、ということになるけどね。ジェームズ・キャメロンのスケッチがはじめにあって、それをもとに、わたしがスタッフと共同で立体化させたものだから、わたしだけが手柄を独占することはできないよ。ただ、過去何十年ものあいだ、いろんな人からお褒めいただいているんで、あえて否定することもないな、なんて思っているんだけれどね(笑)」

――ターミネーターがイコンと化していることに関して、どう思われますか?

「本当に恵まれていると思うよ。素晴らしい監督とコラボレートできたこと、脚本が良かったこと、そして、スタッフが最高の仕事をしてくれたことが、その理由だろうね。ユニバーサル・スタジオに足を踏み入れるたびに、感激するんだ。ターミネーターやジュラシックパークの恐竜や、プレデターとかが、歴史に残るキャラクターとして飾られているから。映画キャラクターのほとんどが忘れ去られていくなかで、自分の関わったものが、こうしてイコンとなっている。それは最高の気分だ」

――今回は、T-Xという新しいターミネーターを登場させましたね。

新登場のT-X(左)
新登場のT-X(左)

「そうなんだ。ターミネーターは映画史に残るイコンだから、『T3』での挑戦は、そのイコンを正しく描きつつ、新しいイコンを生み出すことだった。観客が見たがるような、新しいターミネーターの創造をね。T-Xは、まさにそんなターミネーターに仕上がったと思うよ。T-Xを見て、もっと新しいターミネーターが見たい、と観客の人に思ってもらえれば嬉しいね」

――「T3」の魅力のひとつに、アーノルド型ターミネーター(T-850)の原型T-1が登場することがあります。

「そう、T-1は『T3』の大きな魅力の1つだよ。なにしろ、最初のターミネーターなんだからね。アーノルドのT-850に比べると、まだ粗野で未完成なんだ。歩行が出来ず、キャタピラで移動する。実は、T-1の開発は、わたしたちにとって非常にエキサイティングな経験だったんだ。1作目のとき、わたしたちはロボットの模型を作った。2作目のときも、ロボットの模型を作り、その模型とCGをミックスして――ちなみに、これは映画史上初の試みだった――、ロボットが動いているような幻想を生み出した。それが、この3作目では、なんと本物のロボットを製作するに至ったんだ。T-1には、CGは使われていない。映画のなかで見たのとまったく同じ、本物のロボットなんだよ。だから、T-1という存在は、のちのアーノルド型ターミネーターの原型となっているわけだけど、これは同時に、今後の映画製作の方向を示すものでもあるんだ」

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