劇場公開日 2001年12月15日

シュレック : 映画評論・批評

2001年12月4日更新

2001年12月15日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー

すべては業界最高の高度なCG技術があってこそ

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「シュレック」は、最も古い歴史を持つCGプロダクション“PDI/ドリームワークス”が、フル3DCG長編第2弾として製作した作品である。一分の隙も無い完璧なストーリー、大人も子供も映画評論家も各自の視点で楽しめるギャグやパロディー、繰り返し見る度に愛着の沸くキャラクターなど、成功の要因は沢山ある。だが何より、業界最高と言って良い、高度に洗練されたCG技術があってこその成功だと言えよう。

特に流体力学シミュレーションは、シュレックの泥浴びや、沼、ビール、溶岩、ミルクなど、様々な液体をリアルに描いている。またレンダリング技術では、人の肌の質感描写にこれまでにないリアリティが要求された。皮下組織、真皮、表皮、脂質ごとの散乱と、角質細胞、毛穴による異方性反射、逆光に対する半透明性と骨や軟骨の不透明度などを考慮した、非常に高度なものである。

とりわけ目を引くのが、完璧な炎のシミュレーションで、中でもドラゴンの吐く火炎は見事である。メインキャラ4人の動きは、骨格/筋肉/表皮/衣服という構造を持たせて力学シミュレーションが行われている。また表情も実に細やかに描かれているが、これも数百もの表情筋を制御することで表現されているのだ。

大口孝之

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