海を飛ぶ夢 : 新作映画評論

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海を飛ぶ夢

劇場公開日 2007年4月16日
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海を飛ぶ夢 4月16日よりシャンテシネほかにてロードショー

尊厳死を正面から捉えた感動作

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過去3作で新たなサスペンスのジャンルを開拓してきたスペインの新鋭アメナバール監督の新作は、自国で起きた事件をベースに尊厳死を正面から捉えた意欲作。

事故によって自由を失った男ラモンが、自死の権利を勝ち取るために闘うストーリーは、これまでの監督の作風とは大きく異なるように思える。自身が「死の中に生を見る、という点ではこれまでと変わらない」と語るが、トリッキーなオチがないだけに、4年をかけてこの実話を映像化しようとした真摯な想いが伝わってくる。

彼を取り巻く人々の生き生きとした描写、彼を愛する女たちが持つ物語、空想のうちに空を飛ぶシーン。すべてが素晴らしく、また、最後に彼を送り出す家族たちの表情には、胸をうたれずにはいられない。

特筆すべきは主演ハビエル・バルデムの存在だ。特殊メイクで病床の中年男に扮しながらも、強い意志と深い洞察力を持ち、毒舌とユーモアを忘れないラモンを首から上だけで演じきり、同時に何人もの女性から求愛された事実を無理なく感じさせるだけの魅力に溢れている。

彼を救うことは彼を死なせること、という究極の矛盾をはらみながらも、悲しむべき結末に救いを感じるのは、このラモンというキャラクターがあってこそなのだ。

(編集部)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 海を飛ぶ夢
  • 「オープン・ユア・アイズ」「アザーズ」を手がけたアメナバール監督と、「夜になる前に」のハビエル・バルデムのスペイン・コンビによる問題作。25歳の時から事故で30年もの間全身麻痺に陥っている男ラモン・サンペドロが、カトリック社会のスペインで、尊厳死を勝ち取ろうと裁判を起こしたラモンが書いた自伝を映画化。主演のバルデムが5時間にも渡るメイクで老け役に挑戦したことも話題になった。ベネチア映画祭主演男優賞、ゴールデングローブ賞及びアカデミー賞の外国語映画賞を共に受賞。
  • 原題:
    Mar Adentro
    監督・音楽:
    アレハンドロ・アメナバール
    脚本:
    マテオ・ヒル、アレハンドロ・アメナバール
    撮影:
    ハビエル・アギーレサロベ
    美術:
    ベンジャミン・フェルナンデス
    出演:
    ハビエル・バルデムベレン・ルエダロラ・ドゥエニャスクララ・セグラマベル・リベラ
    製作国:
    2004年スペイン映画
    上映時間:
    2時間5分
    配給:
    東宝東和
  • 4月16日よりシャンテシネほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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