劇場公開日 2003年7月26日

「こころの音色」パンチドランク・ラブ フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

こころの音色

2017年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

くすぶってる男が恋することで強くなる話

音楽が主人公の心理と同調するように奏でられていて、イライラすれば荒々しく、落ち着いていれば静かな旋律で話が進んでいく。

音でビックリさせる演出が数回あり、音に敏感にならざるをえない中、情緒不安定な主人公とともに映画を見る自分も不安になってしまった。
音楽だけでなく色合いやカット割りも独特でどことなくお洒落な雰囲気で目も耳も程よい刺激で包まれる。

日々を坦々とこなしつつ、密かに野望を抱いている主人公アダム・サンドラーが時に頼りなく、時に力ずよく、危うい精神状態を上手く演じ、監督の力で作品全体が一定の調子に抑えられていて見やすいように感じた。

平凡な男の怒りが爆発する展開は「フォーリングダウン」を思わせたが、現実じみた報復だったので安心した。

自分も少なからず野心は有る、それこそ劇中の主人公のような世間からすればちっぽけな。だが自分にとっては案外大事でいつか今の生活を変えれると信じている。
この映画はそう考えている人に少しだけ勇気をくれる作品だと思う。

劇中セリフより

「俺は力がみなぎっている、一生に一度の恋でとてつもなく強くなっている」

恋愛によって勇気と力が湧いてくる、正義は我にあり。
最初を踏み出す勇気は何処から来るのか・・・
あれこれ考えるより、出来ることから行動に移そうと思いました。

フリント