ナイロビの蜂 : 新作映画評論

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ナイロビの蜂

劇場公開日 2006年5月13日
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ナイロビの蜂 5月13日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

手持ちカメラが現地の匂いや土埃まで運んでくる

画像(C)2005 Focus Features, LLC

庭いじりが唯一の趣味の外交官と、問題意識満々の女性活動家。この冷静と情熱のあいだに恋が芽生え、結婚した2人は赴任先のナイロビに渡る。妻はスラムの救援活動に没頭していくが、夫は見て見ないふり。その事なかれ主義が根底から崩れるのは、妻が何者かに殺された後だった……。

ブラジルのスラム街を描いた「シティ・オブ・ゴッド」の監督メイレレスの新作は、ジョン・ル・カレの長編の映画化。対照的な男女の愛、妻の死の真相を究明する夫、その過程で明らかになるアフリカでの薬物実験、製薬会社と官僚との癒着……と、1作で何本もの映画が作れてしまえそうな重層的な物語を骨太の社会派ラブストーリーに統合し、堂々のハリウッド進出だ。

ことに舞台がイギリスからアフリカに移ると映画は俄然息づいて、本物のスラムで撮影したシーンなど「シティ・オブ・ゴッド」同様、手持ちカメラが現地の匂いや土埃まで運ぶ勢い。それは妻の熱情の描き方にも通じ、この監督の視線は常に搾取され利用される側に吸引されることがわかる。時制を交錯させた構成や編集の妙より、そんな低く熱い目線こそこの作品の精髄に思える。

田畑裕美

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(C)2005 Focus Features, LLC

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