王様の漢方 : 新作映画評論

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王様の漢方

劇場公開日 2002年10月12日
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王様の漢方 10月12日よりシャンテ・シネほかにてロードショー

王様の漢方

10月12日より、シャンテ・シネほかにてロードショー

気持ち良~く記憶に霧がかかって行く脱力感が心地好い

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まったく不思議な映画である。物語を構成する上で、描いて然るべきエピソードはぼっこりと省かれ、省いても構わないシチュエーションはしっかり描かれて行く。

けれど観ていて違和感は感じるものの、不快感はない。むしろ気持ち良~く記憶に霧がかかって行く脱力感が心地好いとさえ思えてくる。資料には、これは「シネマチック・ヒーリング・オペラ」で「滋養強壮ファンタジー」で「漢方薬膳ムービー」だから“観ると癒されます”と、まるで「anan」に載ってるエステティック・サロンの宣伝広告みたいな謳い文句が強烈に並べられている。

けれどそれに踊らされてはいけない。コイツの正体は「鳩よ!」や「サライ」なのだから。しかも見た目インパクト大な薬膳料理は出てくるが、決して「食神」的なことは起きず、物語的には「幸福の黄色いハンカチ」系の“ちょっとイイ話”が散りばめられている。しかしこれが初監督作品となる現代アートの鬼才・牛波(ニュウ・ポ)が、とにかく映画作りにおける基本的な文法をまったく無視して物語を進めるものだから、映画はどんどんシュール化され、現代アートに近付いていくんだが、最終的な鑑賞感としては“土臭い素材の味がする素朴な中国映画”に着地するところがたまらなく不思議、という映画だ。

(大林千茱萸)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 王様の漢方
  • 小さな貿易会社の社長、市川は漢方治療ツアーをビジネスにしようと決意。万里の長城にあるリ・レンの家に4人の患者=インポを治したいヤクザ、末期ガンの老人、ダイエットしたいモデル、性同一性障害の青年を連れて行く。彼らはリとアメリカ人の弟子の治療を受けるが、その願望は果たして叶うのか? 監督・原作・脚本・美術は、60年、北京生まれ、文学や美術で活躍してきたニュウ・ポが映画初挑戦。共同脚本・製作は江戸木純。
  • 監督・原作:
    ニュウ・ポ
    脚本・製作:
    江戸木純
    美術:
    ニュウ・ポ
    出演:
    チュウ・シュイ、渡辺篤志、ノーマン・リーダス
    製作国:
    2002年日本映画
    上映時間:
    1時間44分
    配給:
    アスミック・エース、エデン
  • 10月12日よりシャンテ・シネほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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