ダンサー・イン・ザ・ダーク : 新作映画評論

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映画

ダンサー・イン・ザ・ダーク

劇場公開日 2000年12月23日
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ダンサー・イン・ザ・ダーク 12月23日より丸の内プラゼールほか全国松竹系にてロードショー

ダンサー・イン・ザ・ダーク

12月23日より、丸の内プラゼールほか全国松竹系にてロードショー

画像

ビョークの“魂の叫び”を聞け 

「感動の嵐」とか「魂を揺さぶる」とか、手垢のついた常套句は使いたくないのだが、この映画の場合、それは無理だ。だって、これは正真正銘、ビョークの「魂の叫び」なんだもの。フォン・トリアーはついにカンヌの大賞を獲得。ビョークも主演女優賞に輝いた。

彼女が演じるのは不治の病で視力を失っていくセルマ。ミュージカルが大好きで、 働いている工場も、通りすがりの列車も、華麗なステージと空想すれば辛い日常を忘れてしまう。だが、現実は過酷な試練ばかり。犯罪者として裁かれる法廷ですらセルマはミュージカルの舞台に見立てる。そして、最後のステージは……。

とてつもない異端のミュージカル。だが、本質を突いている。現実が楽しく幸せなことばかりだったら、誰が映画やミュージカルを見るだろう。トリアーは子供の頃、ジーン・ケリーの「雨に唄えば」などが大好きだったという。ドグマの提唱者がミュージカルをデジカメ100台で撮る──先鋭性は予測できたが、こんな古典性に裏打ちされていたとは!

前々作「奇跡の海」のヒロイン同様、セルマも愛する者のために身を犠牲にする。前作「イディオッツ」も含めて、無垢が排除されるこの世の悲しみを、トリアーは誰にも真似のできない方法で歌い上げているのだ。

(田畑裕美)

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