クライシス・オブ・アメリカ : 新作映画評論

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映画

クライシス・オブ・アメリカ

劇場公開日 2007年3月26日
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クライシス・オブ・アメリカ 3月26日より全国ユナイテッド・シネマにてロードショー

クライシス・オブ・アメリカ

3月26日より、全国ユナイテッドシネマほかにてロードショー

これはデミ一流のユーモアである

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まず確かめておきたいのは、これが62年のジョン・フランケンハイマー監督作「影なき狙撃者」のリメイクってことだ。原題は「The Manchurian Candidate」、つまり「満州の候補者」。満州へ拉致された米兵士が共産国の刺客へと洗脳され、帰国後、政治の中枢部へ送りこまれるという筋だった。記憶操作のサスペンスとして先駆的であるのは認めよう。しかし何度観ても僕には反共プロパガンダとしか思えぬのだが。

今回、舞台は朝鮮戦争から湾岸戦争に置き換えられたが、そこは左派ジョナサン・デミ。黒幕は共産主義でもフセインでもなく、アメリカの内なる敵……軍事企業だ。思想的には180度の転換であり、誰もがイラク戦争におけるチェイニー副大統領の疑惑やブッシュ一族を思い浮かべるに違いない。

でもこれはデミ一流のユーモアである。企業に“マンチュリアン”と名付けただけで原題に沿う、といった安易さがそれを物語っているし、そもそも電話1本で催眠状態になるなんて今やパロディでしか通用しないだろう。今回、デミがクローズアップしたのは、近親相姦的なまでに息子を盲愛する母親の狂気だ。オリジナルのアンジェラ・ランズベリーも怪演だったが、本作のメリル・ストリープは輪をかけて恐ろしい。「めぐりあう時間たち」といい「アダプテーション」といい、彼女は現在こそピークを迎えているような気がする。

(ミルクマン斉藤)

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ABOUT THE MOVIE

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  • クライシス・オブ・アメリカ
  • 湾岸戦争の英雄レイモンド・ショーは政界に乗り出し副大統領候補に。だが、戦争時に彼の上官だったマルコの脳裏には、ショーが語る戦争での出来事とは異なる記憶が甦ってくる。自分の記憶は間違っているのか。マルコは調査を始め、その背後にある巨大企業の陰謀を知る。原作はリチャード・コンドンの「影なき狙撃者」。同じ原作を62年にジョン・フランケンハイマー監督、フランク・シナトラ主演で映画化したのが「影なき狙撃者」。
  • 原題:
    The Manchurian Candidate
    監督:
    ジョナサン・デミ
    撮影:
    タク・フジモト
    出演:
    デンゼル・ワシントンメリル・ストリープリーブ・シュレイバー
    製作国:
    2004年アメリカ映画
    上映時間:
    2時間10分
    配給:
    UIP
  • 3月26日より全国ユナイテッド・シネマにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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