コレリ大尉のマンドリン

劇場公開日:

解説

イタリア軍占領下にあるギリシャ、ケファロニア島。占領軍としてやってきたイタリア兵の中に、音楽をこよなく愛するコレリ大尉がいた。島の娘ペラギアと出会い、互いに愛し合うようになる2人。それは敵味方を超えた真実の恋だった……。

2001年製作/123分/アメリカ
原題:Captain Corelli's Mandolin
配給:ブエナ・ビスタ
劇場公開日:2001年9月22日

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映画レビュー

3.0見た。

2023年12月31日
PCから投稿

うーん、普通。

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プライア

3.0本作でペラギヤ役を演じたペネロペ・クルスは最低女優賞にノミネートさ...

2023年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本作でペラギヤ役を演じたペネロペ・クルスは最低女優賞にノミネートされてしまった。
ニコラス・ケイジが演じる主人公は素敵な兵隊さんだ。

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Don-chan(Daisuke.Y)

5.0ウクライナ戦争を目撃している、2022年の現代では評価が一変する、そんな映画だと思います

2022年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ギリシャについては、古代史や神話は一般教養ですから興味のある人も多いでしょう

でもギリシャの第二次世界大戦中のことを知る人は少いと思います
ましてギリシャの離島ケファロ二ア島で当時どんなことがあったのか、何の興味も湧かないでしょうし、そんなこと知ってどうするの?と思って当然です

本作はそんな馴染みのないことを主題にして、恋愛映画なのか、戦争映画なのか、どちらでもあるのか、どちらでもないのかよくわかない
そんな映画なのです

だから詰まらないと思われて、評価も低くても致し方ないことでしょう
今まではそうでした
しかし、ウクライナ戦争を目撃している、2022年の現代では評価が一変する、そんな映画だと思います

映画は1940年のケファロ二ア島から始まります
ケファロニア島の守護聖人の聖ゲラシモスの日のお祭りの光景が写されます
おそらく10月くらいの秋のお祭りと思われます

その光景にヒロインの父である老いた医者イアンニスのモノローグがかぶさります

しかし、このモノローグは1953年の秋頃の時点でのものであったことが本作を観終わって始めてわかります
つまり現在は1953年で、1940年から始まるお話は彼の回想なのです

アントニオと呼びかけるのは、アントニオ・コレリという30代中頃のイタリア人に対してです
ペラギアとは彼の娘のこと
20歳くらいで医者の卵です
母は死別したようです

恐ろしい地震と戦争の話

地震とは戦後の1953年8月12日にこの島を襲った大地震のことです
そして戦争とは、もちろん第二次世界大戦のことです

ケファロニア島は地中海に浮かぶギリシャの離島です
ギリシャ本土から100キロ程西
細かくいうとイタリア半島の靴底とバルカン半島の間のイオニア海に浮かぶ島のひとつ
アテネからは西に300キロ、イタリア半島の靴底からも300キロのところ
大きさは南北50キロ、東西30キロほど
だいたい淡路島くらいの大きさです
取り立てて産業もなく、人口もないひなびた田舎の島です
どうでもいいような島のようで、ギリシャとイタリアの間にある以上、実は戦略的な要地にあるのです
古代から度々戦場となり虐殺がなんども起こった島なのです

1940年、第二次世界大戦はもう1年前に始まっていましたが、ギリシャは中立を宣言しており平和でした

しかしギリシャの北の隣国アルバニアは、イタリアに既に侵略され併合されてしまっていました
次はギリシャが狙われようとしていたのです
それが冒頭のお祭りが行われていた1940年秋のことでした

お祭りで花火代わりに紙を大昔の青銅の大砲に一杯詰めて打つと、子供達から歓声が上がり、イオニア海を見下ろす高台では男女が輪になってのダンスが始まっています
そこにぺラギアと村の漁師の青年マンドラスの姿があります
やがてこの二人は婚約するのですが、イタリア軍の侵攻が迫り、結婚は戦争が終わってからにしようと彼は出征していきます

ギリシャ軍は戦意も高く、アルバニアとの国境でイタリア軍と交戦し、兵力がかなり劣勢であったにも係わらずイタリア軍を散々に打ち破ります

しかしこれがヒトラーを怒らせてしまうことになり、イタリア軍には任してはおけないとドイツ軍が直々に侵攻してきます
これが1941年の4月6日のこと
今度はギリシャ軍も歯がたたず、3週間後の4月27日には首都アテネはドイツ軍に陥落していまいます

ギリシャは降伏し、ドイツ軍とイタリア軍に地域ごとに分割され占領されることになります

こうして、この平和な島にもイタリア軍が無血で上陸して、進駐してくるのです

そのイタリア軍の中に、アントニオ・コレリ大尉がいるのです
彼は砲兵隊の隊長なのですが、イタリア人を絵に描いたような人物です
自分の部隊内でオペラ愛好会を作っているような軍人らしくない人物です
ジュリア師団という1万人もの戦死者を出し地獄をみてきた転属兵に、このオペラ愛好会の話をするような脳天気さです
部隊を率いて行進している背中にはマンドリンがあります
ギリシャ語が堪能で通訳として司令官に使われてもいます

ギリシャはローマより歴史も古く、アルバニアでは撃退もしたイタリア軍を下に見て、イタリア軍には降伏しない、ドイツ軍になら降伏すると市長は言い放つのです

クソ食らえと

コレリ大尉は忖度せず、ギリシャ人の市民が遠巻きに見守っているなか、そのまま大声で通訳します
そんな男です

ドイツ軍もイタリア軍のお目付役なのかたったの200人だけ部隊をこの島に進駐させています
コレリ大尉と同格のドイツ軍の連絡将校ウェーバー大尉が緊張して現れるのです
彼がドイツ軍で一番高位ということになっていますが、実は大佐がいて彼はただの使い走りです

村の医師イアンニスの自宅兼診療所が、イタリア軍将校の宿舎として接収されることになり、コレリ大尉がやってきます
娘ペラギアは敵国の将校であるコレリ大尉に激しく反発しています

しかし、出征した婚約指輪のマンドラスには毎日手紙を送っても返事はなく、寂しさのあまり優しいコレリ大尉に次第に心が揺らぎ始めてしまうのです

そうこうしているうちに、マンドラスが敗残兵となり島に帰ってきてしまうのです

毎日書いて送った手紙は彼に届いていたのですが、彼は文盲で手紙を読めなかったそれだけだったのです

そしてかれは健康と体力を回復すると、レジスタンスに参加するとまた島をでていきます
結局、ペラギアはまた孤独となってしまいます

ある夜、イタリア軍主催の島の住民との交換会が町の広場で行われます
電飾が光り、楽しげな音楽が流れます
イタリア軍は占領したものの出来るだけ穏便にやっていこうしています
開会の辞で司令官はギリシャとイタリアの友好を訴えています
しかしその裏では、島にある古い碑文をラテン語に書き換えていたのです
ギリシャのイタリア化です
この交換会もそういう狙いだったのかもしれません

しかしその夜の他のイタリア兵と踊るペラギアの美しさにコレリ大尉は虜になっていまうのです
ペラギアもまた彼の奏でるマンドリンの音色に魅せられてしまうのです

そして翌日彼女はついにコレリ大尉と一線を越えてしまうのです

何事も無かったように振る舞うのですが、父はすぐに気がついています

恋とは一時的に衝撃に襲われるようなものだ
地震のように揺れて、やがて納まる
治まったら考えるのだ
2人の根があまりにも深く絡み合っていたら別れることは、もう不可能だ
それが愛というものなんだよ
愛は胸の高鳴りや息苦しさ、抱き合うことじゃない
体中を這うかれのキスを夜中に想像することでもない
人は自分に言い聞かせてる
「ああ、私は恋をしている」
そういう恋が燃え尽きて、後にのこるのが「愛」なのだ

ペラギアはその言葉に頷くのです

すでに二人の事は島中の噂になっています
ペラギアはマンドラスの母に婚約を解消したいと申し出にいきます
しかし、そこにはマンドラスがいたのです
島に戻ってきたのです

彼はコレリ大尉に会わせろといいます
彼女を巡っての喧嘩をするためではなく、コレリ大尉の部隊の武器弾薬をパルチザンに横流しするように話すためでした

そうこうしているうちに、1943年9月8日イタリアが連合国に降伏します

イタリア兵達は戦争は終わった!国に帰れる!と大喜びです
早速、占領を解いて帰国準備を始めようとするのですが、そこにドイツ軍の横槍が入ります
武器弾薬を全ておいて、丸腰で帰国すべしと
武器弾薬がパルチザンに流出する危険があるからというのです
それも一理あるので、一抹の不安をもちつつ武装解除に同意します

しかし不安は的中します
武装解除に応じたイタリア軍はドイツ軍から捕虜のようにあつかわれ最後には虐殺されてしまうのです
3000人のイタリア軍将兵が無抵抗で虐殺されたのです
この虐殺は実話です

またギリシャ本土のある村でもパルチザンの攻撃への報復として、女子供を含む200人以上の民間人がドイツ軍に虐殺されています

コレリ大尉は虐殺される前に、不穏な空気を知り部隊の武器庫を開き武器弾薬をマンドラス等のパルチザンに引き渡します
翌朝、ドイツ軍が大軍で海から押し寄せイタリア軍陣地に向けて総攻撃を始めます

島の中心部は激しい市街戦の様相となります
その最中、あの交換会の夜からドイツ軍のウェーバー大尉と親しくなっていたペラギアの女友達はパルチザンに拉致され、裏切りものとして処刑され彼女の村の道端に晒し者にされるのです

イタリア軍は激しく反撃をするのですが結局すぐに敗北します
コレリ大尉もかっての同盟国の捕虜となり部下とともにドイツ軍に引き立てられて虐殺の銃撃をうけるのです
顔馴染みになった根は気が弱く優しそうだったドイツ軍のウェーバー大尉がその手引きをしているのです

そして機関銃の銃撃が終わると、生き残っているものがいないか確かめに回り、脈があるものにはトドメを拳銃で差すのです
しかし、奇跡的に虫の息だったコレリ大尉には彼はとても打つことが出来きず去っていくのです

コレリ大尉はそのあとに現れたマンドラスに助けられペラギアと父の懸命の治療で九死に一生を得て命を取り留めます
そしてマンドラスによりイタリアへの帰国を手配してもらうのです

しかしマンドラスとの愛は壊れたままもとには戻せないのです
マンドラスは夜の闇にの中に一人去って行くのです

結局1945年にドイツも降服して、ケファロニア島は再びギリシャに戻り平和も回復されるのです

戦後の1947年、ペラギアは27歳くらい
イタリアからレコードが送られてきたと冒頭のシーンでは3歳くらいに見えたマンドラスの妹レモニが10歳くらいになって走ってきます
差出人は無記名でしたが、誰が送ったのかはレコードの曲が物語っていました
ギターのレコードでしたが、本当はマンドリンの曲でコレリ大尉が弾いていた曲だったのです

劇中では触れられませんが、この年ギリシャで共産党の活動が非合法化されています
そのことがイタリアでもニュースになったことがきっかけになったのかもしれません

それから6年後
1953年8月の大地震が起こります
その2ヵ月後くらいの秋のお祭りのがラストシーンです
まるで冒頭の1940年のお祭りの日に戻ったかと錯覚するほどに、何もかも同じお祭りの光景が繰り返えされます
しかしよく見るとレモニは16歳くらいになっています
ペラギアは33歳くらいでしょうか
当時の結婚適齢期を過ぎても独身のまま、普通にしていても寂しそうです

そして私は娘に教えたい
傷ついた事で神を恨まず、傷を癒したまえとただ
祈るべきなのだと

冒頭の彼女の父のモノローグはこのペラギアの姿に向けて語りかけられているものなのです

努力したんだ
君無しで生きていこうと

父はコレリが10年振りに現れたことに気がつき満足気に、夫婦の愛について村人に説教しながら祭りから家路に向かうのです

ウクライナの戦争の中でも、このような物語があるのかも知れません
しかしロシア軍はイタリア軍よりドイツ軍に似ているようです
こんなロマンチックな話なんかあるわけ無いのかも知れません
現に虐殺はウクライナでも起こっているのです
親露派の人には都合の悪い映画かも知れません

ペネロペ・クルスは、本作でゴールデンラズベリー賞の最低女優賞にノミネートされたそうです
名演とはいかないまでも人並み程度の演技にはなっていますから気の毒だと思います
役のペラギアのイメージが影響したのだと思います

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