ボウリング・フォー・コロンバイン : 新作映画評論

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ボウリング・フォー・コロンバイン

劇場公開日 2003年1月25日
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ボウリング・フォー・コロンバイン 1月25日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー

退屈なサバービアは暴力をたぐり寄せている

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マイケル・ムーアは、その体格や風貌も計算に入れた巧みな突撃取材を展開し、おとぼけのなかに鋭い視点を散りばめ、銃社会に迫る。なかでも特に興味深いのが銃乱射事件とボウリングの結びつきだ。ムーアは若者たちが事件の前にボウリングを楽しんでいたことに着目し、マリリン・マンソンが非難されてボウリングが非難されないことに首を傾げる。

事件の舞台となったようなサバービアは、それが皮肉や屁理屈で片づけられない次元に踏みだしつつある。例えば、セラピーとしての狂気という未来像を提示するJ・G・バラードの小説「スーパー・カンヌ」には、この事件が会話に出てくるだけでなく、狂気を実践する集団はボウリング・ジャケットを着用している。

ムーアはアメリカのテレビが、貧しいマイノリティが暮らすインナーシティの現実を歪め、視聴者の興味を引く犯罪や暴力ばかりを過剰にクローズアップしていることを明らかにする。その結果、セキュリティに対するパラノイアや銃の需要が生まれるわけだが、これは突き詰めれば、退屈なサバービアが暴力をたぐり寄せていることにもなる。この映画が掘り下げる銃社会の向こうには、バラードに通じるビジョンが見えてくるのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • ボウリング・フォー・コロンバイン 画像1
  • ボウリング・フォー・コロンバイン
  • 02年カンヌ映画祭に正式出品、審査員長デビッド・リンチが急遽“カンヌ映画祭55周年記念特別賞”を設けて授賞した話題作。 監督は、著作「アホでマヌケなアメリカ白人」(柏書房)が全米ベストセラーになった過激ジャーナリスト、マイケル・ムーア。なぜアメリカで銃犯罪が多発するのかをめぐり、99年のコロンバイン高校銃乱射事件犯人の同級生から、現全米ライフル協会会長である「ベン・ハー」の人気俳優チャールトン・ヘストンまで、アポなし突撃取材。
  • 原題:
    Bowling for Columbine
    監督・脚本:
    マイケル・ムーア
    出演:
    マイケル・ムーアチャールトン・ヘストンマット・ストーンマリリン・マンソンマット・ストーン
    製作国:
    2002年カナダ・アメリカ合作映画
    上映時間:
    2時間
    配給:
    ギャガ・コミュニケーションズ
  • 1月25日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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