A.I. : 「イーバン・チャンは殺された。ジェニーンが鍵を握っている」

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ネットを席巻する「A.I.」怪情報
壮大な謎解きの先にあるものは?

「イーバン・チャンは殺された。ジェニーンが鍵を握っている」

編集部“キューブリックが長年温めていた企画を、スピルバーグが映画化”──確かに夢のような話である。最初は半信半疑だったこの企画だったが、映画の完成も間近に迫り、否が応にも期待は高まって来ている。だが、ちょっと待て。果たしてこれは、お互いのファンにとって本当に歓迎できる話なのだろうか?

恐らく、スピルバーグのファンにとってはそれほど危惧はないだろう。「偏屈なジイさんの考えてた企画を、我らがスピルバーグがどうやってエンターテインメントの領域に昇華させてくれるのか、わくわくしながら待っている」という感じか。あるいは、もともとキューブリックの企画であったことすら、彼らには関係ないのかも知れない。

一方、キューブリックの熱狂的なファンにとっては、事情がだいぶ違うのではないか? 「ハリウッドの権化みたいな商売人監督に、キューブリックの代わりが務まるわけがない。スピルバーグが監督するぐらいならいっそ、このままオクラになっていた方がマシだ」というぼやきのひとつも聞こえてきそうだ。

しかしこの「A.I.」は、映画界を代表する、一見相容れないような2人の偉大なフィルムメイカーの、変則的でありながら、紛れもない共作の賜物なのである。では、そのプロセスには、どんな紆余曲折があったのか。我々は年表に整理してみることにした。た。

予告編に現れる“ジェニーン・サラ”というクレジット

(C)2001 Warner Bros. & Dreamworks, LLC.この予告編の終わりには、衣装デザインのボブ・リングウッドや作曲のジョン・ウィリアムズという製作スタッフに混じって、「Sentient Machine Therapist」という奇妙な肩書きで、Jeanine Sallaという名前がクレジットされている。「知覚ある機械のセラピスト:ジェニーン・サラ」。人間ではなく、ロボットのためのセラピストという肩書きに、何か作為的なものを覚える。あるいは、「A.I.」本編の中に登場する人物なのかも知れない。

検索エンジンGoogleを使って彼女の名前を検索すると、およそ100件近い検索結果が現れる。一番上から見て行こう。バンガロア大学という学校のサイトの中にあるサラのページがある。このページによれば、サラはA.I.研究の科学者であることが分かるのだが、ページの中のシンボルマークをよく見ると、バンガロア大学は2026年に創立されたと書いてある。このページには、彼女の電話番号とEメールアドレス、サラの個人サイトへのリンクが記されている。それぞれにアクセスすると、何が起こるのか?

【1】電話をかける

留守番電話のメッセージからは、「イーバンの葬儀に関することなら、2番を押して」という声が流れる。暗証番号(ここではまだ分からない)を押して、彼女の留守電に保存されたメッセージを聞くこともできる。

【2】Eメールを送る

オートレスポンダー(自動応答システム)からすぐに返事が来るのだが、これにはいくつかの種類があることが確認できた。運が良ければ、2142年4月30日付けのレポートを読むことができる。そこに記されているのは、悪夢に悩む人間をカウンセリングする、ロボット(=A.I.)医師のエピソードだ。

【3】リンク先を見る

リンク先のサイトは、“ro”(ルーマニア)ドメインである。ここを見ていくと、ライアというA.I.の少女や、留守電のメッセージに登場したイーバン・チャン、そしてイーバンの妻ナンシー、イーバンのヨット“クラウドメイカー号”がここに現れる。何とこのヨットも感情を持っていて、イーバンを愛しているようだ。そして「In memoriam」というページを開くと、写真に映るイーバンの姿は半透明になっており、「逃げろ! 溺れるぞ」というメッセージに続いて、イーバンの水死体の写真が突然別窓に現れる。

すべては仕組まれている。何しろ、行き着くところはすべて、未来のサイトなのである。

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  • A.I.
  • テクノロジーが天文学的なペースで発達した近未来。人間は“感情”以外の面において万能なロボットを召使いとする生活を送っていた。そんなとき、サイバートロニクス社は世界で初めて“愛する”ことをインプットしたロボットの少年デイビッドを作り上げる。彼は試験的なケースとしてサイバートロニクスの従業員夫妻の養子となるが、やがて予期せぬ状況の連続で生活を続けられなくなり、デイビッドは家を出る。
  • 原題:
    A.I. Artificial Intelligence
    監督:
    スティーブン・スピルバーグ
    脚本:
    イアン・ワトソン、スティーブン・スピルバーグ
    製作:
    ボニー・カーティス、キャスリーン・ケネディ、スティーブン・スピルバーグ
    原作:
    ブライアン・オールディス
    撮影:
    ヤヌス・カミンスキー
    音楽:
    ジョン・ウィリアムズ
    原案:スタンリー・キューブリック
    出演:
    ハーレイ・ジョエル・オスメント、フランシス・オコナー、ジュード・ロウ、サム・ロバーズ、ブレンダン・グリーソン、ジェイク・トーマス、ウィリアム・ハート
    2001年アメリカ映画/2時間26分
    配給:
    ワーナー・ブラザース映画
  • 6月30日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2001 Warner Bros. & Dreamworks, LLC.

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