


巨額を投じる一大プロジェクトの断行で知られる野心家。低予算映画をコツコツと量産し続ける草の根活動家ロジャー・コーマンの元で業界のイロハを学び、スタートこそ「殺人魚フライングキラー」という低予算映画だったが、「ターミネーター」の大ヒットで状況は一変。以後の作品は大作豪華主義あり、熱いドラマあり、のスタイルに変化した。ビジョンを実現するためなら金を惜しまず、スタッフにも無理を強要するが、結果を出してしまうのだから仕方がない。「タイタニック」で映画界を制圧した今となっては、政局を左右する大御所的存在。もちろん最新作「アバター」も、追加予算の申請が大いにあったとか。
驚異の早撮りと無駄を省く製作手腕で、1~2年置きに作品を撮り続ける、業界屈指の大ヒットメーカー。プロジェクト予算が1億ドルを越えたのは「マイノリティ・リポート」「宇宙戦争」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のみで、予算・スケジュールが常に超過するターミネーター党の最高顧問とはまさに対照的。出資者も観客も喜ばせる、理想的な顧問といえるだろう。本作は「子どもが遊んでいたオモチャに自分が夢中になった」ために映画化を決定。そのリベラルな考え方は、中国のスーダン・ダルフール紛争への姿勢を理由に北京五輪芸術顧問を辞退するなど、政治的ポリシーにも貫かれている。

最高顧問のキャメロンに、党に対する果てしない愛と忠誠心を猛烈にアピールして党首の座を得た。毎週の週刊少年ジャンプが欠かせない…わけではないだろうが、日本の漫画、アニメに関する造詣が深く、影響を受けた作品のひとつに「美少女戦士セーラームーン」を挙げるほどだ。初のお役目となったのは「チャーリーズ・エンジェル」で発揮した広告業界出身のビジュアル先行の手腕に、「ターミネーター党の総裁就任にはスタイルが軽すぎないか?」との声も上がったが、ふたを開けてみれば最高顧問も納得の出来で、及第点はクリアした。次回来日の際には、ぜひともアキバでの遊説を期待したい。
とにかくイケイケ、“無駄にカッコイイ”豪快シーンを撮らせたら右に出る者はいない。人気プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーの下で「アルマゲドン」「パール・ハーバー」など大ヒットプロジェクトの監督を務めたが、ブラッカイマー党を離党。スピルバーグの新党(トランスフォーマー党)立ち上げ時に白羽の矢が立てられて、党首に就任。当初は「オモチャの映画なんてやっていられるか」と渋々だったが、いまやどこ吹く風。更に、「13日の金曜日」など別展開の80年代ホラーリメイク事業が絶好調。自身で新党を立ち上げるのではないか? という噂も絶えない。

シリーズの肝となるキャラクター、人類のリーダー=ジョン・コナーを精悍に演じ切って男を上げた。その男らしさはスクリーン外でも発揮され、エモーショナルなシーンの本番撮影中に現場に入り込んだ撮影監督への放送禁止用語全開の強烈な罵倒(「セットから出て行け!」「お前はプロじゃない」)は、音声データが全世界へ配信され、Tシャツにもなってしまうなどの話題に。とはいえ、「マシニスト」での激ヤセなど強烈な役作りで知られるだけに、その根底にはあるのは“役”そして“作品”への熱い思いがあればこそ。そのリーダーシップは大いに買いである。デビュー作は、スピルバーグの「太陽の帝国」。
いわゆる“宇宙人”。宇宙から飛来した金属生命体で、正義のロボット軍「オートボット」のリーダー。地球ではコンボイ・トレーラーをスキャンして擬装し、緊急時にはロボット型に変形して悪の軍団「ディセプティコン」と戦いを繰り広げる。冷静沈着で、人類、地球を俯瞰した判断で行動する、まさにリーダーの鏡。本作では、米軍と共同戦線を張る特殊部隊「ネスト」の一員として、復活を遂げたメガトロン、彼を操るザ・フォールンの太陽破壊計画に大学生になった主人公サムらと立ち向かう。両手から飛び出るサーベルや、終盤で見せるパワーアップ・シーンは必見だ。無論、政治献金とは一切無縁の潔癖ぶり。
クリスチャン・ベール演じるジョン・コナーを食う勢いで、強烈な存在感を示したマーカス・ライトを熱演。“地方”オーストラリアでデビューを果たして活躍した後、米豪合作の「タップ・ドッグス」をきっかけに満を持して“中央”ハリウッドへ進出。ブルース・ウィリスの「ジャスティス」を経てターミネーター党への入党と相成った。マーカス役をオファーされたベールがコナー役に固執したため、党判断で代わりにワーシントンがマーカスを演じることになったという話だが、ワーシントンにとっては結果オーライ。最高顧問の抜擢もあり、「アバター」で堂々主役を演じるに至る。
スピルバーグ最高顧問に見出され、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」出演で一躍スターダムに飛び出した若手党員。ディズニーチャンネルの「おとぼけスティーブンス一家」の主演で注目を集め、「コンスタンティン」などを経て、最高顧問が率いるドリームワークス作品「ディスタービア」で信頼を得た格好だ。小泉チルドレンの杉村太蔵氏をほうふつさせ、一気に脚光を浴びつつも、若さゆえか、その言動が問題になることもしばしば。ドラッグストアへの不法侵入、路上喫煙、酒気帯び運転による自動車事故──もしかして、党員としての再教育やお目付け役が必要!?

父は映画監督のロン・ハワード、母は女優のシェリル・ハワードという、業界のサラブレッド的2世党員が演じたのは、ジョン・コナーの妻で医師のケイト・コナー。男臭い出演陣の中で、かろうじて高貴な印象を放っているが、舞台は荒廃した近未来。M・ナイト・シャマラン監督の「レディ・イン・ザ・ウォーター」でのヌードや、「スパイダーマン3」での派手メイクが封印されたのは、男性ファンにとっては残念なところ。親の基盤=親の七光りに支えられがちな2世ではなく、ケネス・ブラナー主演の「お気に召すまま」(日本未公開)でゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされるなど、実力も折り紙付き。
主に浮動層の獲得とアピールを目的に、このポストに配されたのが、86年生まれの23歳ながらも抜群の女豹ぶりを誇るフォックス。ネイティブ・アメリカンの血を引くエキゾチックな顔立ちとセクシーなプロポーション、そして身体に刻まれたタトゥーの数々が、全米の男性のハートをわし掴みに。とはいえ、日本の場合は、相手が積極的な女性すぎると引いてしまう男性が多いのが常(美しすぎる青森市議・藤川ゆり議員が理想なのか?)。どこまで日本男性にアピールできるかに注目が集まる。本格デビューは「彼女は夢見るドラマ・クイーン」。党の次回作「トランスフォーマー3」にも、早々と出演が決定している。

ターミネーター党への入党で大ブレイクを果たし、最高顧問と組んだ「ターミネーター2」「トゥルーライズ」などの超大作を経て、カリフォルニア州知事にまで上り詰めた党のシンボル的存在。過去の党シリーズ全作への出演はもちろん、今作でもターミネーターの“最新モデル”として象徴的に登場し、“ライブラリー映像から顔の部分を流用する”という形ながら、ベール、ワーシントンとの壮絶なバトルを展開した。現在の所属政党は保守政党の共和党で、米大統領選の際には、ジョン・マケイン候補を支持した。ニコニコ笑って得るものは得る──俳優時代に見せたビジネススタイルは、新総裁も見習うべき。
前作で楽曲「ワット・アイブ・ダン」が使用されたのを機に、トランスフォーマー党のコラボレーションが始まったリンキン。今作では、渾身の書き下ろしとなる「ニュー・ディバイド」で全面バックアップを敢行。リンキン・パークは、00年にメジャー・デビューしたオルタナティブ・ロック・バンド。重量感あふれるサウンドと2人のボーカル(ラップ)が絡み合うことで聞き手を魅了し、アメリカン・ミュージック・アワードやグラミー賞に輝いた、人気・実力を兼ね備えたバンドだ。邦楽が圧倒的に強い日本にあっても、十分な知名度を誇るバンドだけに、広報委員長としても適任だろう。

「ターミネーター2(T2)」の5年後を舞台に、サラとジョンのコナー母子と新型ターミネーターの戦いを描くTVシリーズ党が、連立党としてターミネーター党を全面バックアップ。TVシリーズには出演していないものの、1~2作目でサラを演じたリンダ・ハミルトンが党首として党を牽引。なお、リンダは一卵性双生児の妹で、影武者として姉レスリーが手腕を発揮しているのでは? という噂もある(「T2」で、サラ本人とサラに擬態したT-1000型ターミネーターという形で共演が実現)。リンダは過去にはキャメロン最高顧問と結婚し一女をもうけているが、それは本当に彼女だったのか…。
党の礎を築いたともいえる、元祖トランスフォーマーの製造元は、日本の玩具メーカータカラトミー。そもそもトランスフォーマーとは、これまで150の国と地域で発売され、なんと5億個以上の玩具累計販売実績を誇る、世界的に有名なロボットキャラクターなのだ。70 年代の日本製の変形ロボット玩具“ミクロマン”と“ダイアクロン”がアメリカに渡り、1984年にはその名を“トランスフォーマー”にトランスフォームしたというわけだ。トランスフォーマーは今年で誕生25周年、節目の年を迎え、政権奪取に鼻息は荒い。














