アメリカテレビ界、恐るべし : FROM HOLLYWOOD CAFE

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司会を務めたエレン・デジュネレス司会を務めたエレン・デジュネレス

第57回エミー賞授賞式に招待された。米テレビ界最大のイベントとはいえ、ぼくの専門は映画のほうなので、これまで出席はおろか、授賞式のテレビ放映すらまともに観たことがなかった。こんなに無知な人間が参加しても良いのだろうかと躊躇しているうちに当日を迎えてしまい、一張羅の黒のスーツを引っ張り出して出かけていった。

かつてのアカデミー賞の会場、シュライン・オーディトリアムで行われた授賞式は、カジュアル版オスカーという感じだった。みんなタキシードやドレスをびしっと決めているけれど、ドラマの共演者たちが一斉に集まっているせいか、レッドカーペットは和気あいあいとしたムードが漂っていた。

どうやらアメリカのテレビ関係者は映画に対して劣等感を抱いているらしく――司会のエレン・デジュネレスが「どうせならオスカーの司会をやりたいわ」と自虐的なジョークを言って、拍手喝采を浴びたのが良い証拠だ――、ノミネートされた人たちの間に、アカデミー賞のときのようなぴりぴりとした緊張感はなかった。

最優秀ドラマシリーズ賞を受賞した「LOST」トロフィーを掲げる「LOST」女優陣(左)、「ロード・オブ・ザ・リング」でおなじみのドミニク・モナハン(右)も「LOST」主演のひとり最優秀ドラマシリーズ賞を受賞した「LOST」
トロフィーを掲げる「LOST」女優陣(左)、
「ロード・オブ・ザ・リング」でおなじみの
ドミニク・モナハン(右)も「LOST」主演のひとり

でも、エミー賞に参加させてもらって改めて感じたのだが、いまのテレビドラマのクオリティは、映画を軽く凌いでいると思う。今年は特に映画が不作のせいもあるけれど、テレビの充実ぶりには目を見張るものがある。「シックス・フィート・アンダー」や「ザ・ホワイトハウス」「24」「デスパレートな妻たち」など、ジャンルこそ違えど、高品質な作品が毎週のように生み出されているのだ。

さらに驚いたのが、「LOST」の最優秀ドラマシリーズ賞受賞だ。個人的には近年のドラマシリーズのなかで最高傑作だと信じて疑わないけれど、これだけエッジのある冒険作が由緒あるエミー賞で栄冠に輝くとは思わなかった。アメリカテレビ界、恐るべしである。

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FROM HOLLYWOOD CAFE ロサンゼルス在住のフィルムメイカー/ライターの小西未来氏が、ビビッドなハリウッドの姿を毎月届けてくれます。毎月1日頃更新

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