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コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第165回

2012年1月13日更新 小西未来

第165回:J・J・エイブラムスの最新ドラマ「アルカトラズ」を最速レビュー

アルカトラズ刑務所といえば、映画ファンにはお馴染みの場所だ。実話をもとにした「アルカトラズからの脱出」という傑作があるし、マイケル・ベイ監督のアクション映画「ザ・ロック」の舞台にもなった(ザ・ロックは、アルカトラズ刑務所の俗称)。サンフランシスコ湾内にある小さな島は、かつて凶悪犯を収容する連邦刑務所として使用され、いまは観光名所となっている。

J・J・エイブラムスの新ドラマ「アルカトラズ」は、ひとつの仮説をもとにつくられた。アルカトラズ刑務所は財政的理由により1963年に閉鎖され、囚人たちは別の刑務所に移送されたとされている。もし、それが事実でなかったとしたら?

第1話のあらすじはこんな感じだ。

サンフランシスコ市警のレベッカ・マドセン(サラ・ジョーンズ)が殺人事件の現場を調査していると、犯人の指紋がジャック・シルベインなる人物のものと一致する。しかし、シルベインはかつてアルカトラズ刑務所に服役していた囚人で、数十年前に死亡している。アルカトラズ島の専門家であるコミック作家ディエゴ・ソト(ホルヘ・ガルシア)の力を借りて調査を進めていると、シルベインは生存しているばかりか、数十年前とまったく同じ容姿をして犯罪を繰り返していた。

その後、レベッカは、エマーソン・ハウザー(サム・ニール)という謎の捜査官に事情を告げられる。1963年、アルカトラズ刑務所で受刑者と看守の計302名が集団失踪するという大事件が発生。凶悪犯罪者たちがこつ然と姿を消すというショッキングな出来事は、政府によってもみ消されたが、その後もエマーソンは消息を追っていた。レベッカとディエゴは、エマーソンが率いる特別捜査班に参加することになる。

アルカトラズ島の凶悪犯たちはどこに消えていたのか? 彼らが戻ってきた目的は何か? 陰で糸を引いているのはいったい誰なのか?

特別捜査班は、次々と再浮上する囚人たちを追いながら、壮大な謎に挑んでいくことになる。

エイブラムスが手がける孤島を舞台にしたミステリードラマというだけでも、「LOST」ファンにとっては感涙ものだが、ハーリー役のガルシアや、演出のジャック・ベンダー、音楽のマイケル・ジアッキノなど、「LOST」組が再結集している。また、架空の島を舞台にした「LOST」と異なり、「アルカトラズ」は史実や伝説などをうまくストーリーに取り込んでいるので、歴史の重みやリアリティがある。

最大の違いは、ストーリーの構造だろう。「LOST」がひとつの壮大な物語を章で区切ったような連続性の高い構成だったのに対し、「アルカトラズ」は1話完結型になっている。「フリンジ」以降、エイブラムスが手がけるドラマはすべてこのタイプで、「アルカトラズ」は毎回、異なる失踪者の調査をすることになる。前のエピソードを見ていなくても楽しめるため、時間がない人にはとくに向いているが、僕自身はストーリーにどっぷり浸かるタイプが好きなので、このあたりは好みがわかれるところかもしれない。

「アルカトラズ」は、1月16日から全米放送開始。日本でも年内に公開される模様だ。

[筆者紹介]

小西未来

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者協会(HFPA)に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開を控える。

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