「LOST」の謎を解くヒントを、文学作品に見つけたり : FROM HOLLYWOOD CAFE

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第112回:「LOST」の謎を解くヒントを、文学作品に見つけたり

全米で放送中の「LOST」シーズン5全米で放送中の「LOST」シーズン5(C)ABC Studios[拡大画像]

シーズン5が全米放送のまっただなかにある「LOST」についてぜひとも書こうと思ったのだけれど、ものすごい急展開を見せているため、ちょっとでも説明してしまうとネタバレになってしまう危険性がある。そこで、今回はちょっと違った方向から「LOST」にアプローチしてみようと思う。

LOST」が文学度の高い作品であることは、熱心なファンならすでに気づいているはずだ。チャールズ・ディケンズ「二都物語」やロバート・ハインラインの「異星の客」の原題が、シーズン3の第1話「囚われた者たち」と第9話「裁きの時」のタイトルにそれぞれ使われているし、シーズン3の第17話「ジグソーパズル」の原題は、そのまま「キャッチ=22」(ジョーゼフ・ヘラー)である。文学的な関連は各エピソードのタイトルに留まらない。ダーマ・イニシアティブの海底基地の名称は「鏡の国のアリス」(ルイス・キャロル)から取って「ルッキング・グラス」、シーズン4から登場した文化人類学者シャーロット・ルイスは「ナルニア国物語」の作者C・S・ルイスのもじり。さらに、シーズン4第9話「ルール」でベンジャミン・ライナスは自らをディーン・モリアーティと名乗るが、これは「オン・ザ・ロード」(ジャック・ケルアック)に登場する有名キャラクターだ(さらに付け加えるならば、このエピソードの原題“The Shapes of Things to Come”は、H・G・ウェルズの「世界はこうなる」から取られている)。

今夏、AXNにて日本独占初放送6月21日、シーズン5第1話を先行放送!今夏、AXNにて日本独占初放送
6月21日、シーズン5第1話を先行放送!
(C)ABC Studios[拡大画像]

どういうきっかけで「LOST」に執拗なまでに文学的要素が盛り込まれることになったのか、製作陣に取材する機会があればぜひとも訊いてみたいところだが、想像には難くない。もともと「LOST」の構想を練る際、クリエイター陣がスティーブン・キングの「ザ・スタンド」やオルダス・レナード・ハックスリーの「島」を引き合いに出していたのは有名な話だ。その後、「LOST」のシリーズ化が決定すると、彼らは豊富な読書経験を生かして、過去の文学作品を共通言語としてストーリー作りを行ってきた。そして、嬉しいことに、影響を受けた文学作品のヒントを残してくれているのだ。

製作陣が隠したヒントは、登場人物が抱えている本や背後にある本棚にあるため、ドラマに没頭していては見つけるのが困難だ。幸い、製作総指揮のデイモン・リンデロフとカールトン・キューズは、米ABCの公式サイトのために「LOST」に登場したすべての図書をまとめてくれた。「LOST BOOK CLUB」と題された特集ページには、シーズン4まで登場した40冊あまりの図書がBackground(背景に映っていた図書)、Show Theme(番組のテーマに関する図書)、Dialogue(会話に登場した図書)と3つのカテゴリーに分けて紹介されており、それぞれ登場エピソードとあらすじがまとめられている。

もしかすると、「LOST」の謎を解くヒントはここに隠されているのかもしれない。

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FROM HOLLYWOOD CAFE ロサンゼルス在住のフィルムメイカー/ライターの小西未来氏が、ビビッドなハリウッドの姿を毎月届けてくれます。毎月1日頃更新

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