春興行に異変!「ヤッターマン」が「ドラえもん」に勝利 : 編集長コラム 映画は当たってナンボ

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コラム:編集長コラム 映画は当たってナンボ - 第37回

2009年3月11日更新

第37回:春興行に異変!「ヤッターマン」が「ドラえもん」に勝利

この春の話題作、実写版「ヤッターマン」が公開された。オープニング2日間の成績は、動員38万5817人、興収4億5807万8450円と発表されており、まずは興収30億円はほぼ手中に収めた。今後、春休みの稼働次第では40億円も狙える好スタートで、特筆すべきは「ドラえもん」を押さえて首位デビューに成功したことである。

ドロンジョのキャスティングでも話題を集めた「ヤッターマン」 ドロンジョのキャスティングでも話題を集めた
「ヤッターマン」

例年、3月上旬の興行ランキング首位は「ドラえもん」の定位置。もちろん、今年も新作「ドラえもん/新・のび太の宇宙開拓史」が封切られており、オープニング2日間の成績は、動員33万5738人、興収3億7291万8850円。これが「ヤッターマン」の81%(興収で比較)という水準で、それなりに差をつけられての2位に甘んじてしまった。

ここで、「ドラえもん」リニューアル後4年間の数字を見てみよう。

06年「ドラえもん/のび太の恐竜2006」
オープニング2日間:動員38万1700人、興収4億3300万円
最終興収32.8億円

07年「ドラえもん/のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い
オープニング2日間:動員50万1500人、興収5億6000万円
最終興収35.4億円

08年「ドラえもん/のび太と緑の巨人伝
オープニング2日間:動員46万2200人、興収5億1600万円
最終興収33.7億円

09年「ドラえもん/新・のび太の宇宙開拓史
オープニング2日間:動員33万5700人、興収3億7200万円

長年キープしていたポジションを奪われてしまった「ドラえもん/新・のび太の宇宙開拓史」 長年キープしていたポジションを奪われてしまった
「ドラえもん/新・のび太の宇宙開拓史」
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2009

という感じで、今年の「ドラえもん」、リニューアル後もっとも成績が悪い。この分だと30億円に到達しない可能性も十分にある。完全に「ヤッターマン」に客を食われた格好だ。

続いて、次の数字をごらん頂きたい。

ヤッターマン」……1187円
ドラえもん」……1110円
ジェネラル・ルージュの凱旋」……1306円
ケロロ軍曹」……1106円

これは、この週末に封切られた作品の、2日間の興収を動員数で割ったもの、つまり客1人あたりの入場料である。この金額が高ければ高いほど、(シニアを除く)大人比率が高いということになる。

もちろん、「ジェネラル・ルージュの凱旋」が一番高いのは納得いただけると思う。「ドラえもん」「ケロロ軍曹」がほぼ同等なのも分かるだろう。そして「ヤッターマン」は、「ドラえもん」「ケロロ」よりやや高く、「ジェネラル・ルージュ」よりも100円以上低い。これは、ファミリーに混じって大人同士、あるいは大人一人の客が相当数混じっていることを示している。

もちろん、主演の櫻井翔のファン、ドロンジョ様目当ての男たち、昔からアニメの「ヤッターマン」を見ていたファンたちなど、大人の客といってもさまざまだろう。いずれにせよ、ファミリーと大人混在の客層という意味では、「ハリー・ポッター」のようなファンタジーや、ピクサーのアニメ、あるいは宮崎アニメなんかとは違った客層が想像できる。これまでのヒット作とは毛色が違っている点で非常に意義深い。もっとも、「ヤッターマン」はファミリー層にとっては下ネタが多すぎて物議を醸しているのも事実である。

人気アニメの実写映画化、「ヤッターマン」の次の日活の企画は「ガッチャマン」と07年に発表されていたが、しばらく進捗が聞こえていない。もしかしたら、今回の大ヒットでおもむろに動き出すかも知れない。(eiga.com編集長・駒井尚文)

[筆者紹介]

駒井尚文

駒井尚文(こまい・なおふみ)。62年青森県生まれ。映画宣伝マンを経て、97年にデジタルプラスを設立。以後映画関連のWebサイトを製作したり、映画情報を発信したりが生業となる。98年にエイガ・ドット・コムを立ち上げ、後に法人化。現在まで編集長を務める。

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