邦画3社、勝ち組と負け組の明暗クッキリ : 編集長コラム 映画は当たってナンボ

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第1回:邦画3社、勝ち組と負け組の明暗クッキリ

三谷幸喜が宣伝しまくった結果大ヒットとなった「ザ・マジックアワー」三谷幸喜が宣伝しまくった結果
大ヒットとなった「ザ・マジックアワー」
(C)2008 フジテレビ 東宝

6月7日の土曜日は、東宝の「ザ・マジックアワー」、松竹の「築地魚河岸三代目」、東映の「神様のパズル」と、邦画大手3社の新作3本が激突した。予想通りというか、予定通りの大ヒットスターを切ったのが、東宝とフジテレビが製作・配給する「ザ・マジックアワー」。

この映画の監督・脚本を務めた三谷幸喜は、映画を広く認知させるために、率先して宣伝活動に携わることをいとわない。今回も、テレビ、新聞・雑誌など158におよぶメディアにゲストとして出演、あるいはインタビュー記事を露出したそうだ。

かつて映画監督は、生来気むずかしい職人気質の方が多く、宣伝には非協力的というのが一般的だった。しかし今の日本映画では、映画の出来以上に宣伝活動のボリュームが興行を左右する。映画は「内容で勝負」ではなく、「宣伝で当てる」という時代なのである。だから、監督といえども宣伝に協力しないと映画会社に嫌われる。映画会社に嫌われると次回作が作れなくなるので、監督も宣伝には協力せざるを得ない。バラエティだろうが料理番組だろうが、テレビ出演してなんぼ、新聞・雑誌に露出してなんぼなのである。

同日公開の「築地魚河岸~」(上)「神様のパズル」(下)は惨敗同日公開の「築地魚河岸~」(上)
「神様のパズル」(下)は惨敗
(C)「築地魚河岸三代目」製作委員会
(C)2008「神様のパズル」製作委員会

今回、ここら辺の感覚が完璧に身についている三谷監督が、スタッフ・キャストをリードして宣伝にフル稼働した効果は大きい。結果、公開週末の国内興行ランキングでも首位に立った「ザ・マジックアワー」は、初日・2日目の興収でおよそ5億0600万円を叩き出し、最終興収50億円以上が見込まれている。

一方、松竹が「寅さん」「釣りバカ日誌」に続く長寿人情シリーズとして目論む「築地魚河岸三代目」。こちらは、初日・2日目の興収が約5000万円と「ザ・マジックアワー」の10分の1。この分では最終興収3億円強がせいいっぱいという予測だ。これまで20作が製作されている「釣りバカ」がコンスタントに興収5億円を上げていることを思えば、とてもシリーズの行方に楽観視はできない。大沢たかおや田中麗奈もあちこちの媒体に露出はしていたが、質量ともに「マジックアワー」には及ぶべくもなかった。ましてやこの映画の監督が、何という名前か知っていた人はそれほど多くないだろう。

そして東映の「神様のパズル」だが、こちらは「釣りバカ日誌」よりも惨憺たる成績に終わった。興行ランキングでもトップ10圏外。製作の角川春樹、監督の三池崇史はじめ、同作のスタッフ・キャストがどれほど宣伝活動を行っていたかはあまり情報がないが、同じ東映の配給で現在大ヒット中の「相棒」は、水谷豊がふだん絶対出演しないというバラエティ番組に多数登場していたのを思い出す。(eiga.com編集長・駒井尚文)

(C)2008 フジテレビ 東宝

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