「ブロードウェイと銃弾」で“楽”なミュージカルに初挑戦する城田優のギャップに萌え! : 若林ゆり 舞台.com

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コラム:若林ゆり 舞台.com - 第63回

2017年12月21日更新

第63回:「ブロードウェイと銃弾」で“楽”なミュージカルに初挑戦する城田優のギャップに萌え!

ウッディ・アレンがブロードウェイの演劇界を舞台に、ウッディらしさを最高レベルで発揮したバックステージ・コメディ。「ブロードウェイと銃弾」は、ウッディのファンならずとも、きっと愛さずにはいられない人気映画だ。そんな傑作が、ウッディ・アレン自らの脚本でブロードウェイ・ミュージカルになった。ミュージカル・ナンバーは20年代から30年代のスウィンギングな楽曲を軽快にアレンジしたものを使い、オリジナル演出・振付を手がけたのはあの「プロデューサーズ」のスーザン・ストローマン。これが面白くないわけがない!

売れない劇作家のデビッドが、ギャングがごり押ししてきた愛人の女優とそのボディガードのチーチ、それに個性的な俳優陣に悩まされつつ、芝居作りをしようとする物語。筆者は2014年にブロードウェイで観劇したが、期待どおり非常に面白くてワクワクできる、ご機嫌なショーだった。これが、日本におけるコメディの帝王、福田雄一による演出で上演される。しかもデビッド役に浦井健治、チーチ役に城田優という最強キャストで、である。

「映画版は僕も大好きです」と、城田は的確に、映画の魅力を語りだす。

撮影:若林ゆり 撮影:若林ゆり

「ストーリーの構成からキャラクターたち個々のエッジが効いた色の濃さ、結末までの伏線を含めて、すべてにおいて傑作だと思います。コメディとしての要素もドタバタで笑わせるのではなく、それぞれのキャラクターが確立していることによっておかしいことが起こる。僕が演じるチーチにしても、もともとギャングの親分が女優としてカンパニーに入れた愛人の用心棒ですよ。それがだんだんと芝居にのめり込んでいき、終いには本末転倒というか、『何してくれとんねん』という話で(笑)。実際に起こったらメチャクチャ恐い話だけど滑稽。人間関係の移り変わりも面白いんですよね。デビッドは最初、チーチのことを『面倒くさいな』と思っていたのに、だんだんパートナーのようになって、ヘンな信頼関係が出来上がっていく。本当に人間らしい物語で、過食症の人がいたり、悪いとわかっていてもやってしまう人たちがいて。人間って触っちゃダメだと思えば思うほど、触れたくなってしまうものじゃないですか。そんな人間の精神的な部分もよく見えている。そこもすごいと思います」

ミュージカル版でいちばん印象的だったのは、なんといっても作品の面白さを決定づけるチーチというキャラクターを、より派手に濃く、鮮やかにフィーチャーしていること。芝居に対して意外な才能を発揮し、絶妙なアイディアを繰り出すチーチの姿は、演出家としての経験(2016年の「アップル・ツリー」)もしている城田と重なるところがある。

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「チーチは演出家的な視点の持ち主。デビッドの脚本に口出しして『ここはもっとこうした方がいいんじゃないか』とか言っているところは確かに、普段の僕に似ていると思いますね。自分に関係のないところでもすぐに言っちゃうんですよ。もちろん自分が発言できる立場にあれば、ですけど。『これよりこっちの方がよくないですか?』と言うときは自分がよく見えたいからとかではなくて、作品全体のバランスを見て『絶対にこっちの方がいい』と思うとき。自分が演出をしたときも、次から次へと出てくるアイディアを俳優たちに形にしてもらうのが楽しくてしかたなかったですからね」

ブロードウェイでいちばん喝采がヒートアップしたのは、チーチを演じたニック・コルデロがギャングスターどもを引き連れて歌い踊る、キレッキレでダイナミックなタップダンスのナンバー。ストローマンの面目躍如な名シーンだった!

「あ、それ言っちゃいます?(笑) 僕の顔、こうなっちゃいますよ(苦虫を噛みつぶしたような表情)。僕、踊りは苦手ですし、タップは本当に難しい。でも、やりますよ。『4Stars』というショーが終わったら、全力で真剣にタップに立ち向かいます!」

[筆者紹介]

若林ゆり

若林ゆり(わかばやし・ゆり)。映画ジャーナリスト。タランティーノとはマブダチ。「ブラピ」の通称を発明した張本人でもある。「BRUTUS」「GINZA」「ぴあ」等で執筆中。

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