ミュージカル界の濃い貴公子、岡幸二郎が斬新なフレンチ作品で咲かせる悪の華! : 若林ゆり 舞台.com (2)

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コラム:若林ゆり 舞台.com - 第42回

2016年4月1日更新

第42回:ミュージカル界の濃い貴公子、岡幸二郎が斬新なフレンチ作品で咲かせる悪の華!

岡が小池修一郎とタッグを組むのは、93年の「レディ・ビー・グッド」以来、なんと23年ぶりだという。小池といえば細部にまでこだわる完璧主義者として有名だが、その演出ぶりは今回、岡の目にどう映っている?

「細かさは相変わらずですが(笑)、熱量が増したような気がしますね。小池先生の頭の中には全部、舞台に上がったときの映像というのができているんだと思う。ちゃんと衣裳を着て照明を浴びている画が見えているんですよ。ほったらかしにされるよりは、細部にしつこいくらい愛情を注ぐ演出家のほうがずっといい、と私は思います。でももっとすごいのは、それを『はい』と聞いて全部やるスタッフかも(笑)。小池先生は稽古場内での要求も高くて、たとえば、稽古着にまで指示を飛ばす演出家っていないですよ! 私も稽古用に黒のロングコートを探しました」

さらに今回はメインキャストが、タイプのまったく違う俳優たちによるダブルキャストになっていることでも話題を呼んでいる。主役のロナンを演じるのは小池徹平加藤和樹という2人。

「サイズ感から個性から、全然違いますからね。ペイロールとしては、小池徹平くんの方が『いたぶってる』感が強い(笑)。加藤くんも言ってましたもん、『なんか小池くん、かわいそうになってきた』って(笑)。私はここで鞭を使うんです。宝塚版でも星条海斗さんが使っていましたけど。最初、小池先生は使わないっておっしゃっていたんですが、鞭職人に自らオーダーなさったんですって。叩いても痛くない鞭で、音も鳴らないはずだったんですけど初日に私がやったらピシッと鳴って。小池先生もお喜びのご様子でした(笑)。加藤くんは最高峰の舞台である帝劇初主演という重みを背負ってバランスを取ろうとしているし、小池くんは帝劇初出演のためか重圧から自由で、身軽な感じがしますね」

撮影:松永明美 撮影:松永明美

マリー・アントワネットはベテラン花總まりと、宝塚を卒業してまだ1年ほどの凰稀かなめという、正反対な2人。

「チラシ写真でもそうですけど、凰稀さんは色っぽいよろめき感があって、花總さんはもうマリー・アントワネット歴も実績もすごいわけですし。小池くんと加藤くん、神田(沙也加)さんと夢咲(ねね)さんもそうですが、個性の違う2人なんだけど、2人とも役に合う。そこが面白いと思う」

宝塚といえば、岡は林アキラとともに構成を手がけるショー「UTA・IMA・SHOW」シリーズで勝手に宝塚100周年(&101周年)をお祝いし、パロディを(エリザベートやアントワネットも!)演じるほどの宝塚好き。“オスカルのいない「ベルサイユのばら」”とも言うべきこの作品は、その点でもツボらしい。

「そうなんです、台本を読んだだけでもう、出てくる単語にゾクゾクするんですよ! ポリニャック夫人っていうだけでザワッとするし(笑)。マリー・アントワネットとかフェルゼンとか出てくると、心の中には愛の神殿が出てくる(笑)。全部フランスで本物を見てきましたから! プチ・トリアノンとかパレ・ロワイヤルとかも行ってきて地図がわかるので、もう楽しい(笑)」

撮影:若林ゆり 撮影:若林ゆり

昨年はフルオーケストラとともにミュージカル・ナンバーを歌うコンサートなど、歌手やショーでの活動が中心だった岡。『レ・ミゼラブル』のアンジョルラスという当たり役を得た場所であり、育ててもらった帝劇での久々のミュージカル公演に、大いに手応えを感じている。

「私は帝国劇場に育てられたようなものです。東宝の初舞台は大地真央さんが初めて演じた『マイ・フェア・レディ』で、次が『オリバー!』でした。このときはすでに劇団四季にいましたので、四季の稽古場でバレエレッスンまで受けてから帝劇に通っていたのです。それから『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』という、その後長く関わらせていただく作品に出会ったのもこの劇場でした。今回は、いわゆる帝劇の常連さんたちがたくさん出ているものではなく、スペクタキュルという新しいジャンルの作品。帝劇には若すぎるようなキャスティングで、ダンサーにしても『いつものあの人ね』じゃないメンツです。そこに私が出たときに、『ああ、岡さんが出てやっと帝劇らしくなった』と言われたら、今回は失敗のような気がするんです。そこの“帝劇安定感”をコンコン壊していかないと(笑)。せっかく小池先生に呼んでいただいたのだから、革命を起こすつもりでチャレンジしたいと思っています」

「1789 -バスティーユの恋人たち-」は4月11日~5月15日帝劇で、5月21日~6月5日大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演される。詳しい情報は公式サイトへ。
 http://www.tohostage.com/1789/

[筆者紹介]

若林ゆり

若林ゆり(わかばやし・ゆり)。映画ジャーナリスト。タランティーノとはマブダチ。「ブラピ」の通称を発明した張本人でもある。「BRUTUS」「GINZA」「ぴあ」等で執筆中。

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