[文化通信.com] ギャガ配給の感動作「私の中のあなた」が、10月9日(金)よりTOHOシネマズ日劇他にて全国公開される。同社マーケティング部の松下剛部長に聞いた――。
▼本作は、米ニューラインがワーナー傘下に入る前に駆け込みで買い付けることが出来た、争奪戦が起こったほどのビッグタイトル。同じニック・カサベテス監督の「きみに読む物語」(興収13億円)を手掛けていたので、その配給・宣伝力が評価された。
▼宣伝のコンセプトは“全国200万人を笑顔で泣かせたい!”。洋画の興行が厳しい中、この9月は一部の作品を除いて全体的にもいまひとつだった。この9日(金)、10日(日)には20数本もの新作が公開されるが、300館規模で公開される本作のようなテイストの洋画は他にない。10月の本命作品、メインとなる女性向けとして、まずは「きみに読む物語」を超え、興収20億円を超えるようにしたい。05年に公開した「私の頭の中の消しゴム」(興収30億円)が目標だ。
▼とにかく“まず、観て下さい!”と言える力のある作品。ジョディ・ピコーの原作はアメリカで大ベストセラーとなっているが、日本では04年公開「世界の中心で、愛をさけぶ」(興収85億円)に始まり、最近も「余命1ヶ月の花嫁」(興収32億円)が大ヒットするなど、いわゆる“難病もの”と言われるこの手の作品は、海外よりも日本の方が強い。日本の観客は潜在的にこういう作品を求めているのではないか。
▼もちろん、姉の生命を救うドナーとして、遺伝子操作によって生まれてきたという設定は社会的に認められているものではないし、ある種SF的かもしれないが、ある理由があって、その妹が両親を訴えるというストーリーはちょっと聞いた事がなく、映画の脚本としては優れていると思う。その脚本に惚れ込んだからこそ、キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリンといった俳優陣の共演が実現した。
▼泣けて、しっかりとした作品と保証が出来るので、ターゲットは20代後半から60代までと幅広い。カップル、夫婦、母娘向けの作品としても薦められ、母娘試写会、パパ試写会などのイベントも開催。02年に公開された感動作「アイ・アム・サム」(興収34.6億円)のような客層を掴みたい。
▼6月下旬に宣伝を立ち上げ、約4カ月弱の宣伝期間をとった。観た人といろんな会話をしてもらいたいと、10万人規模の試写会も実施。この規模は「消しゴム」以来。ジワジワと伝わり方に時間がかかる作品だと思ったので、見せ込み含めここまでやるべきことはやれた。ただ、それぞれの登場人物に共感できるという側面もあるので、観る人によって様々な観方があるのも一つ。気を付けたのはテーマが重そうだと思われないこと。宣材物の色使い含め前向きなイメージを打ち出していった。



