(2009年 ロイター/Mario Anzuoni)[拡大画像][ロサンゼルス 24日 ロイター] 3次元立体(3D)映像を使った映画で興行収入のてこ入れを目指すハリウッドだが、景気後退(リセッション)の影響により、3D映画普及の雲行きはやや怪しいものとなっている。
ウォルト・ディズニー<DIS.N>は27日に「ジョナス・ブラザーズ/ザ・コンサート 3D」を3D設備の整った劇場で公開するが、それにより、フォーカス・フィーチャーズ配給の「コラライン」の3D版が公開される映画館は約300館に減ることになる。
これについて、フォーカス・フィーチャーズの責任者ジャック・フォーリー氏は「業界が興行収入を増やす機会を逸していることの見本だ。ばかげている」と述べた。
3D映画を上映するための高額なデジタル機器は21世紀に入って普及が始まり、2005年の3D版「チキン・リトル」のヒットで拍車がかかった。
ハリウッドは家庭で娯楽を楽しむ消費者を映画館に呼び戻す切り札として3D映画に期待をかけており、大手制作会社からは今年、過去2年間に公開された作品の約2倍となる10本以上の3D映画が公開される予定になっている。
先頭を走るのはジェフリー・カッツェンバーグ最高経営責任者(CEO)が率いるドリームワークス・アニメーションSKG<DWA.N>。ただ、そのカッツェンバーグCEOもリセッションが3D映画の普及に水を差していると認める。
カッツェンバーグ氏は「金融市場の完全な崩壊を経験したわれわれには無視できない現実的な世界がある。(3D映画への)資金集めが以前よりはるかに困難に、時間がかかるようになった」と述べている。
<巨額な設備投資が足かせに>
ドリームワークスは最新作「モンスターVSエイリアン」について、3月27日の北米公開時に米国とカナダで合計2200館の劇場で上映されることを見込んでいる。
しかし、現時点でその実現は難しいように見える。
全米映画館協会(NATO)のパトリック・コーコラン氏によると、現在3D設備を持っている劇場数は1700館。1000館を下回っていた6カ月前からは増えたものの、全米で3万8900館ある劇場の大部分を3D用に変えるには20億ドル(約1940億円)のコストがかかるという。
コーコラン氏は「巨額な設備投資となるが、現在は大手の出資者がいないため、劇場ごとに、非常に断片的に進めざるを得ないだろう」と語った。
しかし、その一方で消費者の3D映画への関心は、リセッションによるマイナス影響をさほど受けてないようにもみえる。
2月6―8日の北米映画興行収入ランキングでは、「コラライン」が1630万ドルで初登場3位となり、その時点の同作品の興収の約75%が3D版によるものだった。
ウォルト・ディズニーの配給部門の責任者チャック・ビアン氏もまた、経済危機が3D設備普及の足かせとなったことは認めながらも、3D映画の前途には希望を持っている。
ビアン氏は「行き詰まりは向こう数カ月以内に解消するのではないかと皆が期待している」と述べた。
2009年に公開が予定されいる主な3D作品には、ディズニー・ピクサーの「Up(原題)」、20世紀フォックスの「アイスエイジ3」のほか、ジェームズ・キャメロン監督の「Avatar(原題)」などがある。
(写真)2月24日、ハリウッド期待の3D映画が景気後退で普及に暗雲。写真はハリウッドで行われた「ジョナス・ブラザーズ/ザ・コンサート 3D」のプレミア試写会





