「わが命つきるとも」撮影中のフレッド・ジンネマン監督とポール・スコフィールド
[ロンドン 20日 ロイター] フレッド・ジンネマン監督の「わが命つきるとも」(66)でアカデミー賞を受賞したイギリスの名優ポール・スコフィールドが19日、サセックスの自宅近くの病院で白血病のため亡くなった。86歳だった。
その圧倒的な存在感と独特な声で知られたスコフィールドは、シェークスピアのリア王から喜劇「階段」のホモの床屋まで、幅広い役柄を演じて忘れがたい印象を残した。ハリウッドの華やかさよりも舞台で演じることを好んだ俳優で、同時代のイギリス人俳優ローレンス・オリビエやリチャード・バートンと比べると知名度は低いかもしれない。だが、バートンをして「イギリスの演劇史に残る素晴らしい瞬間を10あげるとしたら、8まではスコフィールドのものだ」と言わしめた存在だった。
1966年には、ルネサンス期のイギリスの思想家で、自らの信念に従うことを選択して国王ヘンリー8世によって処刑されたトマス・モア卿を演じた「わが命つきるとも」でアカデミー主演男優賞を受賞。この作品はもともとロバート・ボルトによる戯曲の映画版だったが、スコフィールドは舞台版でもモアを演じて高い評価を得ていた。
受賞をきっかけにハリウッドからの仕事の誘いも激増したが、いくつかの映画出演を除けば、その後も孤高の舞台俳優であり続けた。中でもロイヤル・シェークスピア・カンパニーとは、第二次世界大戦直後から共に活動を行った。その他の舞台の代表作に、ロンドン版「アマデウス」のサリエリ役などがある。




